NIPPAN Conference 2022開催報告
日本出版販売株式会社(代表取締役社長:奥村 景二、略称:日販)は、2022年4月15日(金)~5月13日(金)の期間で、NIPPAN Conference 2022をオンラインにて開催しました。
今回のConferenceは、お取引書店様に対し、日販が新たな組織体制で目指していくビジョンと今後ご提供していく価値をお伝えすることを目的としたものです。
当社役員のプレゼン内容を事前収録した動画を配信し、約130法人の書店様に視聴いただきました。動画の内容につきましては、下記の通りです。
① マーケティングでつなぐ(代表取締役社長 奥村 景二)
② 文具雑貨でつなぐ(取締役 文具雑貨商品本部長 野口 瑞穂)
③ 出版流通でつなぐ(常務取締役 流通改革推進担当 中西 淳一)
④ ESGの取り組み(代表取締役社長 奥村 景二)
———————————————————————————-
以下、動画の要旨です。
①マーケティングでつなぐ
2022年、日販はマーケティングを事業のコアに据えた会社へと生まれ変わります。変化が激しく、未来の予測が難しい時代ではありますが、書店様がエリアの生活者ひとりひとりとつながり、求められる存在であり続けるために、日販は生活者起点で多様化するニーズを的確に捉え、様々なモノやコト、場所やプレイヤーと店頭とをつないでお客様に価値をもたらすことをマーケティングで実現し、書店様の可能性の拡大をサポートしていきます。
そのために、今般組織を大幅に改編し、マーケティング本部、文具雑貨商品本部、プラットフォーム創造事業本部という3つの本部を新設しました。
―マーケティング本部
マーケティング本部は、従来の仕入流通本部と営業本部を統合した組織で、製造・仕入・物流・販売まで一貫性を持たせたマーケティング活動を行います。オープンをキーワードとしてデータマーケティングを強化し、より細やかな生活者の情報や、出版業界・本だけに閉じない幅広い世の中の情報を収集し、それらがデータ化されたものを有機的につないでいくことで、お客様に感動を与えられる水準の企画やサービスを創造します。具体的には、「みんなが好きなこと、熱中していること」の導線上に書店様をつなげて、自然と店頭に足を運んでもらう仕掛けをつくる。これが今後マーケティングでつくっていくべき企画です。
また、データマーケティングに加えて、エリア起点のマーケティングも志向していきます。そのために、各支社にエリアマーケティング課を新設しました。エリアマーケターと呼ばれる担当者が、地場の様々なプレイヤーとつながりながら、エリアならではのニーズを掘り起こし、地域に根差したビジネスの開拓を行っていきます。
―文具雑貨事業本部
後述の「②文具雑貨でつなぐ」の通りです。
―プラットフォーム創造事業本部
プラットフォーム創造事業本部では、生活者起点の新たなプラットフォームを創造していくことに取り組みます。不連続な未来の先にある書店のかたちを見据えた先行チャレンジに日販が本腰を入れて取り組む、ということです。街に本のある場所を残し続け、本が人々の生活をより豊かにしていくものであるということを、多くの人に知っていただくことで、書店様の店頭活性化につなげていきます。
例えば、本と出会うための本屋「文喫」は、新たな書店のビジネスモデルとして本格的に事業を拡張していきます。「文喫」ブランドに魅力を感じていただけるコアなファンを、オンラインプラットフォームを拡張することでさらに育て、店頭への送客へとつなげます。従来の物販による収入のみならず、イベント収入、メディア広告収入といった、新たな書店のビジネスモデルを確立していきます。
また、私たち日販の持つ、「束ねる」という強みを活かし、紙の本にとらわれずに、出版社様やその他のコンテンツを活かしたモノ・コト・トキづくりに取り組み、書店様店頭を通じてお客様に届けていきます。実証実験を繰り返しながら、芽のある事業を育てていきます。
②文具雑貨でつなぐ
日販は、2022年4月、文具メーカー様からの仕入機能、および書店ルートの販売事業を、グループ会社の中三エス・ティから吸収分割により承継しました。これまで出版物以外の商材の取り扱いをしていた商品開発部は、文具雑貨商品本部となり、日販の文具雑貨の営業・流通の機能を一層強化することで、お取引書店様における商材の拡大を実現していきます。
―ご提供する価値
日販がお取り引きする文具・雑貨メーカー様の数は、全部で700社を超えることになりましたが、今後は、出版物の流通と同じように、文具雑貨についても、物流・商流がひとつ(AIO商物流)になります。これにより、書店様目線では、荷受け・品出し作業や請求・精算業務の効率化が可能となります。王子流通センターでは、文具の在庫については18,000SKUを確保しており、30坪の文具売場における定番在庫をカバーできる規模になっています。今後、さらに在庫を充実させていきます。
また、日販がメーカー様とダイレクトにつながることで、書店様が商品情報をいち早く受け取ることができるように発信を行っていきます。これにより、書店様の売場を常に新鮮な状態に保っていきます。
あわせて、単品管理システムの導入も進めていきます。日販の提供するシステムによって、単品の売上や在庫の把握はもちろん、定番商品の自動発注、プライスカードの出力など、様々なかたちで、店頭の効率化を実現するとともに、支社支店の営業担当者も、今後文具雑貨の知識をもって、出版物と同じように売場のサポートを行っていきます。
―店頭を、メーカー様とお客様のつながる場所に
書店店頭を、メーカー様とお客様がつながる場所にしていくために、マーケティングによりお客様のニーズを捉え、それをもとに商品を仕入れ、つくり、書店様に新しい売り場を提案していきます。
③出版流通でつなぐ
出版流通改革では、書店様、出版社様、運送会社様、取次の経営が持続し、ひいては、社会や環境にも好循環をもたらす、という姿を目指しています。お取引先のみなさまのご理解、ご協力もあり、この1年で成果が見え始めてきました。
出版流通改革は、取引構造改革とサプライチェーン改革という2つの柱から成り立っています。
取引構造改革は、書店様の経営の持続を実現するための粗利改善の取り組みです。オープンデータプラットフォームのマーケティングツールとしての活用や、書店様の収益改善にも直接貢献するタイムリーな商品供給サポート体制の構築など、施策推進の基盤を整えることで、その効果を高め、書店様のマージン30%を実現します。
サプライチェーン改革では、全国の出版配送網の維持のため、配送コースの再編と配送のオープン化という2つのテーマに取り組んでいます。配送コースの再編とは、現状の配送コースを書店様にもご協力をいただきながら組み直すこと。配送のオープン化とは、異なる業界の商材を取り込んで出版配送網で運んだり、出版物を他の業界の配送網に乗り入れたりすることです。これらを実行することで、出版配送の効率を高め、環境負荷の低減や、ドライバーの労働環境改善も同時に実現していきます。
④ESGの取り組み
日販グループは、2021年11月にESGを重視した経営の推進を宣言し、ESGレポートを発行しました。その後、2022年2月には、「“やさしいみらい”を新たな文化に」を、ESGスローガンとして定め、グループを挙げてESGに本気で取り組んでいます。
そのなかで、私たち日販が社会のためにできる大きなことは、まずは何よりも返品の削減であり、出版物流のサイクルの中でCO2の排出を抑えていくことです。これに加えて、生活者の社会的関心が高まっているSDGsの観点でも、書店様の店頭だからこそできる企画をつくっていきます。
※動画内で紹介した事例は、こちらからご覧ください。
■本件に関するお問い合わせ
日本出版販売株式会社 社長室広報課 吉野
TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045
E-mail:press@nippan.co.jp