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2018年度 日販懇話会 開催

 日本出版販売株式会社(代表取締役社長:平林 彰、略称:日販)は、5月15日、東京ドームホテルにおいて「2018年度 日販懇話会」を開催し、会員書店、会員出版社、あわせて336名が出席しました。
 「日販懇話会」は、日販の経営計画やさまざまな施策などについて理解を深めていただき、取引書店・出版社と強いパートナーシップを築くことを目的に、毎年開催している会です。

 冒頭、平林社長が挨拶に立ち、2017年度の決算の概況報告(概算)を行いました。連結では減収増益、小売事業は6年ぶりに黒字転換し、これが増益に貢献した一番の要因であると述べました。
 日販単体では減収減益となりました。雑誌・コミックスの売上減少によって出版取次事業が赤字となり、厳しい状況にあると示しました。しかし、日販は全国津々浦々に出版物を届けることに矜持を持っており、これからも日本の文化を支える出版物を扱うことを本業とする会社でありたいという決意を表明しました。
 また、これから日販が目指す方向性として、書店・出版社に必要とされる取次業を追求すると強調しました。
 「卸としての経済合理性」と「データによる企画・提案」という日販の存在価値を磨き、「本を起点に広がる可能性に挑戦する」をコンセプトとした、中期経営計画「Build NIPPAN group 2.0」の実現により新たな価値を加えると述べました。
 最後に、書籍の定価の話をしました。同じ文庫本でも日本とアメリカでは平均定価に約1000円の差があることを例に挙げ、日本と海外の平均定価の差を示し、出版社に定価の引き上げを訴えました。

 続いて、2018年度の施策に関するプレゼンテーションが行われました。
 最初に執行役員 中西 淳一が、「「本」業の復活に向けて」と題して「出版流通の維持」を使命としていることを述べました。また、「流通構造を変革する取り組み」について、書店マージン改善施策に触れながら、運賃や条件について出版社に要望を出していることについても理解を求めました。
 次に、執行役員 富樫 建が、店舗イノベーション戦略について発表を行い、これからの時代で勝ち残るためには本屋の原点に立ち戻ることが突破口になると述べました。勝ち残る為のキーワードとしてコミュニティ(共同体)、キュレーション(集めること)、コンベニング(開催すること)の3つを挙げ、今後も人と本との接点をつくっていくために、外部を巻き込んだイノベーションを続けていくことを強調しました。
 最後に、システム部係長 大本 佳奈が、日販と富士通が共同開発したAI選書サービス「SeleBoo(セレブー)」ついて発表を行い、「SeleBoo」の機能と、書店員との選書対決フェアについて紹介しました。今後もAIに取り組み、あらゆる生活空間に本との出会いを与えていきたいと述べ、締めくくりました。
 会場の外の展示場では、「いくつのぎふと」「いくつのえほん」といった施策のほか、「Hmmm!?」「文具女子アワード」「ほんらぶ」などの紹介を行いました。さらに、AI選書サービス「SeleBoo」のデモ機が展示され、来場者の関心を集めました。
 会はその後懇親会に移り、参加書店・出版社との交流を深めました。

 記念講演として、株式会社小松製作所 相談役 坂根正弘氏を講師に招き、「日本と企業の課題~コマツは日本の縮図~」が行われました。質疑応答では、来場者から質問が挙がり、盛況のうちに終了しました。

■展示場の様子

・いくつのぎふと

・いくつのえほん

・Hmmm!?

・文具女子アワード

・ほんらぶ

・AI選書サービス「SeleBoo」

・選書対決フェア

■本件に関するお問い合わせ
日本出版販売株式会社 広報室
TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045
E-mail: press@nippan.co.jp