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2017年度(第70期)決算報告

連結経営成績

2017年度(第70期)決算は減収増益

○日販グループ(連結子会社数28社)の2017年度決算の売上高は5,790億円。雑誌、コミックスを中心に大きく減少し前年に対し7.3%減、453億円の減収となりました。書籍返品率も下げ止まり31.3%、+0.9ポイントと悪化に転じております。

○損益につきましては、雑誌の落ち込みに加えて、運賃の単価値上げや最低賃金上昇による荷造費増加などのマイナスのインパクトにより、出版流通業が大きく減益となりました。販売ルート別の損益としては、CVSルートの赤字が拡大し、本業の利益を圧迫しております。
一方で、小売業は本部経費の圧縮に取り組み大幅な経費削減を実現、営業黒字に転換しております。

○以上の結果から、営業利益は23億円(対前年7.2%増)、1億円の増益となりました。経常利益は25億円(対前年5.9%増)、特別損益及び法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は7億円(対前年75.1%増)となり、3億円の増益となりました。

施策の概況

 中期経営計画「Breakthrough」の最終年度にあたり、その基本戦略とした「出版流通改革」「個客接点の拡大」「成長領域の拡大」の実現に向け、お取引書店様の価値向上に取り組んでまいりました。

【出版流通改革】
PARTNERS契約の推進による書店マージン改善の取り組み
 PARTNERS契約の推進による書店マージン改善に継続的に取り組みました。書店ルート合計の書籍返品率は36.4%でしたが、そのうち、PARTNERS契約法人合計の返品率は34.7%でした。書店にマージンを還元する「Profit企画」については、常時約9,000点の商品が稼働する規模へと拡大しました。

近刊予約サービスの開始
 本サービスにより、近刊(発売前の商品)の予約注文に対する円滑な商品供給、書店店頭での予約注文対応の効率化、さらにリードタイムの短縮を実現させ、サービス導入店舗数は2,000店を超えました。書店様が必要とする商品を確実にお届けしてまいります。今後は予約可能な新刊数をさらに増やすなど、利便性をより向上させていくため、JPO出版情報登録センター(JPRO)のデータベースとの連携を進めています。

物流拠点の統合
 2017年12月、web-Bookセンターを王子流通センターに移転し、両センターの機能と在庫を統合しました。それにより、双方の重複在庫を適正な数に調整し、在庫補充や出荷のリードタイムの短縮につなげました。今後は、従来以上の在庫点数を持つことで、書店様からの注文に対する在庫の引当率を向上させてまいります。

【個客接点の拡大】
書店と個客を繋げる
 店頭のタブレット端末から在庫検索・注文取り寄せができる専用アプリ「attaplus!(アッタプラス)」の導入店舗数は319店舗となり、前期より47店舗拡大しました。
 また、本に関する各種情報やHonya Clubカード機能を一元化したスマートフォン向けアプリ「ほんらぶ」は、全国約1,000店舗の書店の在庫検索と注文を可能にしました。他にも、お客様に合った本の情報やクーポンを配信するなど、さまざまな機能を搭載しています。

「本」との出会いを提案
 「人と本をつないでいく」ことをテーマに、選書・イベント運営・空間プロデュースなどのブックディレクション事業を行う新ブランド「YOURS BOOK STORE(ユアーズブックストア)」を立ち上げ、書店の空間のリノベーションや企業ライブラリーなどを手がけています。
 また、「文化発信の拠点である書店から、地方創生を考える」というテーマのもと、山口県を拠点とする老舗書店・文榮堂と山口大学との、産学官連携のオープンイノベーションにも取り組みました。

【成長領域の拡大】
文具・雑貨の取り扱いの拡大
 書店向け文具パッケージ「Sta×2(スタスタ)」の導入店舗数は262店、また本と親和性の高い雑貨を書店店頭で展開するプライベートブランド「Hmmm!?(ん!?)」の導入店舗数は1,032店に、それぞれ達しました。さらに、「Hmmm!?」の新レーベルとして「Hmmm!?STATIONERY」を立ち上げ、ノートや人気女性ファッション誌とコラボレーションした万年筆などを発売しました。

新たな事業の創出
 検定事業から派生した「パンのフェス」は、開催回数を年2回に拡大し、2017年秋は12万人、2018年春は13万人を超えるお客様にご来場いただきました。また、2017年12月に開催した日本最大級の文具の祭典「文具女子博」は、一般ユーザー向けの文具の展示即売イベントとして、初開催ながら3日間で約2万5,000人を動員しました。2018年12月には第2回目となる「文具女子博2018」を開催予定です。

インテリア雑貨店の新規出店
 株式会社ダルトンは、2017年4月に西日本の旗艦店となる「DULTON FACTORY SERVICE OSAKA」をオープンしました。創業以来インテリア雑貨メーカーとして積み上げてきた空間創りのノウハウと豊富な商品群をすべて投入した、ロードサイド型の大型店です。また、2018年夏季に7店舗目となる直営店舗を、東京都武蔵村山市にオープン予定です。

海外での市場拡大
 ドリル本や東野圭吾作品を中心に、翻訳出版の重版が増加しました。中国現地法人の北京書錦縁諮詢有限公司(ぺきんしょきんえんしじゅんゆうげんこうし)が刊行する「くもんの幼児ドリル」シリーズの中国語簡体字版が、中国国内で累計発行部数150万部を突破しました。

詳細は以下PDFよりご確認ください。

2017年度(第70期)決算報告資料

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