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第58回東海日販会総会を開催

東海日販会(世話人代表:宮川源 ㈱鎌倉文庫代表取締役社長)は2月13日、名古屋市の名古屋東急ホテルで第58回総会を開催し、会員書店はじめ、出版社、日販関係者あわせて390名が出席した。

冒頭、宮川世話人代表が挨拶に立ち、「アベノミクス効果でトヨタなど輸出産業は業績が回復してきたが、われわれの業界は輸入資材の高騰もあって逆に苦しくなっており、消費税増税前の駆け込み需要もない。昨年を振り返ると、業界三者が三すくみの状態になっているように感じる。出版社の責任販売制が縮小して報奨金も減り、モチベーションが下がってしまっている。もっと責任販売制の商品を出版して、需要を喚起してほしい。取次の適正仕入・適正配本も、努力してくれているとは思うが、もっと精緻なものにできるはずである。書店は経費を切り詰め、労働環境も悪化して疲弊してしまっている。書店は町の文化的支柱としての役割が大きく、電子書籍やネット書店が代わりになるとは思えない。紙の本は電子書籍よりも、脳の認識性・記憶性が高いということである。昨年は読書に関する書籍が出版されたり、雑誌が特集を組んだりして力強く思ったが、業界全体が書店や紙の本をどうしたいのか、アピールがヘタである。本日、講演をしてくださる堀江貴文さんも日本中を歩いて本を売った。また雑誌でも、本屋の未来にわくわくするということを書いていらして心強い。われわれも頭が固くなっているので、発想の転換が必要である」と述べた。 続いて、昨年度の事業経過報告・会計報告及び今年度の事業計画案・予算案が審議され、いずれも可決・承認された。また世話人の改選が行われ、下記の通り一部世話人に変更があった。

続いて来賓を代表して挨拶に立った平林彰 日販代表取締役社長は「2014年のキャッチフレーズは『店頭に拘って場面を変えよう!』とした。この中京エリアにおいては、出版物の売上はPOSのデータを見ると全国平均を上回っている。またトヨタの業績が大きく貢献し、昨年のボーナスも高い伸びを示した。この波をつかまえて、店頭に読者を呼び込みたい。そのための施策として、まず雑誌の定期購読に力をいれたい。雑誌の取り置きサービス『Maga−STOCK』を昨年リリースしたが、115店に導入していただいている。導入店においては、1回あたりの雑誌の買い上げ冊数は非導入店のおよそ3倍、買い上げ金額は400円ほど上回り、1カ月の来店回数も 2.6倍となっている。『Maga−STOCK』は、データでの顧客台帳管理、定期改正への自動連携、別梱包といった特長を持っている。今後はHonya Clubの非加盟店にも導入できるようにして、導入を拡大していく。次に店内決着アプリ『attaplus!』であるが、店内在庫の検索、取り寄せ、商品の予約ができる仕組みである。従来、店頭に在庫がなかった場合、ネット書店で探すという読者が多かった。この機会損失を防止するため『attaplus!』では、探すから購入までを店頭の端末1台で完結できるようにした。入庫登録も不要で、簡易に利用できる仕組みとなっているので、ぜひ導入の検討をお願いしたい。今後も日販は、店頭を起点に戦略を展開していく」と述べた。

次に溝口明秀 ㈱NHK出版代表取締役社長が「私が社長に就任した際、発行部数が適切か、市場にマッチしているかということを、まず考えた。2年半やってきて、厳選する、適正発行部数に戻すということが結論だと思っている。ただ厳選するには、適正仕入・適正配本が前提となり、取次には流通システムの一元化も考えていただきたい。適正配本には業界三者の距離を縮めて連携していくことが必要である。雑協で検討し、4/12に9誌がバッグサイズの雑誌を揃って発売するという取り組みを進めることとなった。この企画にぜひ力添えをお願いしたい。また弊社の『100分de名著』について、原作本と併売するということを店頭で行ってもらったが、他社ともども売上を伸ばすことができた。さらに原作本の紹介広告も掲載し、他社と連携するシステムが出来上がってきている。苦しい時は手を取りあっていくことが必要である。昨年のFIPPを若手社員に視察させたが、どう雑誌を売るべきかということについて、やはりブラントがものをいうということだった。出版社そのもの、定期誌タイトル、新書等々、全てブランドを磨き上げることが必要である。それが書店の隆盛にもつながっていく」と述べた。

総会後には講演会が行われ、先ごろ『ゼロ』を著わした堀江貴文氏が、書店店頭で作家が直接本を売ること、またネットの力で本の素晴らしさを紹介し広めていくことの大切さを訴えた。

≪新任≫ 大橋 徹太郎(春広堂書店 代表取締役社長) 三輪 明邦 (泰文堂 取締役)
≪退任≫ 岡森 泰造 (岡森書店 代表取締役社長) 酒井 溢之 (ブックセンター名豊 代表取締役会長)

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