日販 「2013年新春を祝う会」開催
日本出版販売株式会社(代表取締役社長:古屋文明、本社:東京都千代田区、以下日販)は、1月8日、港区芝公園のザ・プリンス パークタワー東京で「2013年新春を祝う会」を開催し、書店、出版社、各種取引先及び日販グループ関係者あわせて2,238人が出席した。
はじめに古屋文明日販代表取締役社長が挨拶し、「日販POS店のデータによると年末年始6日間の売上は、書籍は対前年98.1%、雑誌は106.0%、合 計では101.9%となった。日販でも店頭活性化に向けて“祭り”企画を実施しているが、雑誌の数字が対前年プラスとなり、その効果が徐々に出てきてい る。昨今のPOSデータを分析した結果、売上低迷の原因は客単価の低下ではなく、買い上げ客数の落ち込みによるものだということが明らかになり、買い上げ 客を増やすということで、年末年始にかけて、ほんらぶ祭りを236店で、本気祭りを237店で展開している。スタンプラリーや雑誌の定期購読キャンペーン というメニューについて、書店の協力をいただいている。書店からは、スタンプラリーの効果が出ている、祭りによってHonya Clubの会員が伸びた、祭り企画の説明で希薄になっていたお客様との会話が増えた、といった賛同の声をいただいている。一方で、実施スケジュールがタイ トで忙しすぎる、チラシやポスターの説明が目立たない、ノベルティの選択には書店の意見も取り入れてほしい、といったご要望もいただいており、今後の取り 組みに生かしていきたい。“祭り”企画の他にも店頭活性化に向けては、不稼働在庫の低減、基本在庫の充足率向上、送品比率の適正化にも取り組んでおり、書 店の協力もいただいて数字に結び付けていきたい」と述べた。
来賓を代表して挨拶に立った松信裕㈱有隣堂代表取締役社長は「昨年末から書店に限らず、小売店頭の状況は悪くはない。景気に若干の明るさが見えて来 たのは喜ばしい。出版業界もこの追い風を受けて再生の年にしたい。昨今、とにかく売上が伸びない。その理由としては、デジタル化の進展、ミリオンセラーに なるような商品がない、書店が減っている、買わずに借りている等々が言われているが、われわれはどうすればいいのか明確な答えがない。この業界において、 書店という販売装置を廃棄してしまっていいのか。日販は書店のマージンを増やす取り組みを進めてくれているが、書店の経営が成り立つ仕組み、そして自己改 革が必要である。販売網を弱体化させた業界に明日はない。販売網の強化が急務である。日販の流通改革に加えて、書店の自助努力、そして出版社は大海におい しい魚を放つように売れる本の出版をお願いしたい」と述べた。
その後、松信社長、上野雅道㈱学研マーケティング代表取締役社長、古屋社長、平林彰日販代表取締役副社長による鏡開きが行われ、続いて上野社長が「ヒット 作というのは出版社が作っていくものだが、中には書店の現場の力が生み出すヒット作もある。データには見えない現場の力を引き出すことが売上拡大につな がっていく。三者が同じ方向を見て、ベクトルを合わせていくことが業界の原動力になっていく。新しいことにチャレンジすることももちろん必要だが、それだ けではなく、われわれの原点である読者が望む本を作っていくということがやはり大切である」と挨拶した後、乾杯の発声で懇親会に入った。
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