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新年仕事始め 年頭あいさつ

日本出版販売株式会社(代表取締役社長:古屋文明、本社:東京都千代田区、以下日販)では、新年仕事始めにあたり、古屋社長より以下の通り年頭あいさつがありました。

古屋社長あいさつ(要旨)

昨年を振り返ってみますと、ロンドンオリンピックにおける日本選手の活躍や東京スカイツリーの開業、山中教授のノーベル賞受賞などの明るいニュースもありましたが、概して閉塞感に包まれた1年であったと思います。東日本大震災後、復興の道のりや原発の問題、天災に対する懸念などがわれわれの心に影を落としていると共に、消費マインドの冷え込み、大手企業の業績悪化等、景気は低迷状態にあります。出版業界においても、昨春あたりから店頭の落ちこみが一段と顕著になりました。一昨年にベストセラーが数多く出た反動もありますが、日販の既存店POSデータは、対前年を大きく割り込んでいます。 売上低迷の要因を分析すると、客単価の減少ではなく、買い上げ客数が減っています。この状況を打破すべく、店頭に読者を呼び戻す、そして買いたくなる仕掛けを作っていくということで、年末年始にかけて、全国の取引先で「ほんらぶ祭り」ないしは「本気祭り」を展開しています。 ポイントラリーやスタンプラリー、雑誌定期購読の促進、抽選会と、取り組みの効果も出てきており、さらなる進捗に期待がかかるところであります。このような取り組みを中心に、店頭の活性化を実現していきます。

今期から新しい中期経営計画「Change」をスタートさせました。 1.流通改革の実現とCRMの推進、2.グループ全体で取り組む事業領域の拡大、3.経営環境の変化に適応する企業体質の強化、という3つの基本戦略の遂行に向けて、各部門で努力を続けています。
まず流通改革の実現については、PARTNERS契約とMPDのチャージ契約を合わせた締結店のシェアが8割近くになりました。出版社との契約締結については、今期中に5割のシェアを目指しています。また書店のマージンアップに向けて、インセンティブの支払いに加え、今期からHigh-Profit企画に取り組んでいます。書店マージンが35%以上になる商品群を、最終的には1万点規模、店頭の3割程度に拡大することを目指しています。 出版流通改革の取り組みによって、日販の書籍返品率はここ3年間で8ポイント以上も改善させることができました。しかし、ここにきて減少幅が小さくなっ てきており、ゴールステートメントである「2015年に25%の達成」は相当な努力をしないとなし得ません。決して平坦な道のりでないことは確かですが、 業界をリードして改革を進めている以上、何としてでも実現したい数字であります。 次にCRMの推進についてでありますが、Honya Clubの加盟店は340店、会員数も510万人となりました。またHonya Club.comにおいては、昨年の6月から発売前の商品の予約及び店頭受け取りを開始しました。 10月からは「ほんらぶプロモーション」と称して、出版業界全体の活性化と「本」そのものの価値を高めることを目的とした取り組みをスタートさせました。「3 SPECIAL BOOKS」という特別サイトを開設して、一般読者はもちろん、著名人にもそれぞれ思い入れのある3冊を登録してもらっています。既に5000人を超える 登録があり、本好きの人たちをつなげています。書店支援に関しても、各部門で様々な施策に取り組んでいます。 まず物流部門においては、昨年11月にQuickBookの雑誌バックナンバーの全点在庫をスタートさせ、書店支援と共に、読者へのサービス強化を図っています。 SAシステムに関しては、昨年7月にNOCS9000に、アドバンスMDと仕入在庫管理の機能を搭載しました。11月には、1台の端末で複数の電子マネー決済ができるサービスをスタートさせ、新POS「NP」を発売しました。
次に事業領域の拡大についてですが、文具・雑貨のパッケージである「Sta×2(スタスタ)」をスタートさせ、書店展開の促進を図っています。導入店においては、集客力向上、売上アップに寄与しています。 また電子書籍については、決して拙速になることなく、しかし着実に、書店、出版社と連携を密にした取り組みを進めていきたいと思います。
さらに企業体質の強化に向けては、人事制度や年金制度の見直し、事業継続マネジメント体制の強化等に取り組んでいます。

行く手は不透明ではありますが、今年もわれわれを取り巻く経営環境が急激に好転することはまずないと思われます。 みなさん方一人ひとりの努力と目標達成が、業績に直結します。それぞれが日販を支えているということを肝に銘じて、この1年間、邁進してください。

■本件に関するお問い合わせ 日本出版販売株式会社 経営戦略室広報課 担当:岩本
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