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2019年度 日販懇話会 開催

 日本出版販売株式会社(代表取締役社長:平林 彰、略称:日販)は、5月21日、東京ドームホテルにおいて「2019年度 日販懇話会」を開催し、会員書店、会員出版社、あわせて333名が出席しました。
 「日販懇話会」は、日販の経営計画やさまざまな施策などについて理解を深めていただき、取引書店・出版社と強いパートナーシップを築くことを目的に、毎年開催している会です。

 冒頭、平林社長が挨拶に立ち、2019年2月から4月の店頭売上前年比が3か月連続で前年を超えたことを報告し、その要因として直近の定価上昇が反映されたことを挙げました。
 次に2018年度の決算について触れ、連結では減収減益になる見込みであり、特に取次事業は厳しい状況にあると話しました。
 また、今後の方向性として、持続可能な出版物流の実現を目指すために、国土交通省が提唱する「総合物流施策大綱」に基づき、サプライチェーン改革に取り組むと述べました。具体的には、配送・積載効率アップによる運賃高騰の抑制や、他社・他業界との協業による、物流コストの削減などに言及しました。
 最後に、出版物の定価について触れ、他業界では、物流コストの高騰を商品価格に転嫁しており、出版業界三者の損益構造改善には、定価の上昇が有効であることを訴え、引き続き出版社に協力を求めました。

 続いて、2019年度の施策に関するプレゼンテーションが行われました。
 まず、執行役員 中西 淳一が、「出版マーケットの未来に向かって」と題して発表しました。「マーケット需要に基づいた仕入」と「書店マージンの改善」の2つを大きな柱として、本を販売し続けられる構造の実現に取り組むとし、新刊の事前注文拡大に向け、早期の書誌情報登録と、事前予約分の出荷確約を出版社に訴えました。さらに、より大きなマージンを書店に還元するために、低返品・高粗利の取引モデル作りに取り組むことを表明しました。
 次に、リノベーション推進部課長 輿水 真が、「店舗イノベーション戦略」について、時代の変化に合わせて、本と本屋の在り方を変えていくことの必要性を訴えました。今、人々が求めている「リアルにしかできない体験」を支えるキーワードとして、コンベニング・セールスミックス・新業態の3つを挙げ、今後も本を起点に広がる可能性に挑戦していくと強調しました。
 会場の外の展示場では、「いくつのえほん」「いくつのぎふと」といった施策のほか、「こどもプログラミング本大賞」「文具女子アワード」「コンビニ一体型店舗」などの紹介を行いました。さらに、多くの書店より高い評価を得ている「人が集まる!売れる!超現場型VMDセミナー 」の内容が紹介され、来場者の関心を集めました。
 会はその後懇親会に移り、参加書店・出版社との交流を深めました。

 記念講演として、九州旅客鉄道株式会社 代表取締役会長 唐池 恒二氏が登壇し、「夢みる力が『気』をつくる」をテーマに、逆境に立ち向かい果敢に挑戦してきた経験についてユーモアを交えて話しました。会場は大いに沸き立ち、盛況のうちに終了しました。

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