「2016年度 日販懇話会」開催
日本出版販売株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平林 彰、略称:日販)は、5月17日、東京ドームホテルにおいて「2016年度 日販懇話会」を開催し、取引書店をはじめ、出版社、日販関係者あわせて462人が出席した。
「日販懇話会」は、日販の経営計画やさまざまな施策などについて理解を深めていただき、取引書店・出版社と強いパートナーシップを築くことを目的として、毎年開催している。
開会の挨拶に立った平林社長は、冒頭、熊本地震で被災された方々へのお見舞いの言葉を述べた。営業を再開した多くの書店でゴールデンウィーク中の売上が前年を大きく上回ったことに触れ、書店や本という存在が多くの人に強く待ち望まれていたことへの期待とともに、今後も復興に向けでき得る限りの協力を惜しまないという意志を示した。
続く2015年度の売上概況報告では、全体としては依然厳しい状況にあるものの、書籍は売上高・返品率いずれも前年より改善傾向にあり、中でも児童書の伸長が目立つことを、数値とともに示した。また雑誌においては、売上減少傾向に加え輸配送環境の悪化も損益へのマイナス要因になっていると指摘した。こうした現状を打破するため、2016年度は「店頭の魅力を高める」「本の魅力を伝える」「書店様の利益を高める」を重点戦略とし、“店頭起点”の施策により力を入れていくと語った。
続いて、3名の若手社員より、2016年度の施策に関するプレゼンテーションが行われた。
最初に販売企画部MD店頭開発課係長 小野島 健太が、「出版流通改革のこれから」として現状の報告を行い、High-Profit企画に参加した書店の収益改善事例などを挙げた上で、High-Profit企画対象の注目銘柄やロングセラー商品の売り伸ばしの重要性について述べた。また新たに取り組むサービスとして、NOCS7やattaplus!による確実な店頭予約サービス、NOCS7の雑誌定期改正機能強化、在庫表示・引当処理のリアルタイム化についても説明した。
次に、CRM推進部CRM企画課係長 永生 勇樹より、書店と個客との接点をさらに深めることを目的とした新サービス「ほんらぶアプリ」について発表された。また、店頭在庫の検索から取寄せまでを一体として行えるサービスattaplus!の事例を紹介し、その成果を発表した。本との距離が遠ざかっている個客へは「祭」や「検定」など、コンテンツをきっかけとしたアプローチや、「ほんのひきだし」などWEBでの情報発信によって、個客と本との接点作りを実施すると述べた。
最後に、営業推進室リノベーショングループリノベーションチームチームリーダー 碇 雪恵が、日販が進めるリノベーションの取り組みについて発表を行った。今期は「everything around BOOKS(本をとりまくもの、すべてを取り扱う)」をテーマとし、文具や雑貨、カフェなどの複合的な提案を推進していくことを説明した。商品開発部内には複合推進課を新設し、営業の提案をさらに強化していくことも紹介した。また街や人に合わせて“店”をデザインする取り組みについては、文禄堂(東京都杉並区)と文榮堂(山口県山口市)のリノベーション、DULTON JIYUGAOKA(東京都目黒区)の新規オープンといった事例が紹介された。
その後、オリックス株式会社シニア・チェアマン 宮内 義彦氏を講師に招き、記念講演「日本企業とこれからの経営」が行われた。質疑応答では、来場者から多くの質問が挙がり、盛況のうちに終了した。
会場の外の展示場では、移動式本屋BOOK ROUTE(ブックルート)や2016年3月に開催した「パンのフェス」のブース、日販コンピュータテクノロジイ株式会社所属の人型ロボットPepperなど、日販グループの取り組みを紹介する展示が行われ、来場者の関心を集めた。
会はその後懇親会に移り、参加書店・出版社との交流を深めた。
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