2018年度決算報告
連結経営成績
2018年度決算は減収減益
○日販グループ(連結子会社数25社)の2018年度決算の売上高は5,457億円。雑誌を中心とした店頭販売の落ち込み、廃業店の増加等により5.8%減、333億円の減収となりました。
○営業利益は、コンテンツ事業、不動産事業を除くすべての事業で減益となっており、全体では、10億円(対前年56.6%減)、13億円の減益となりました。経常利益は同じく10億円(対前年57.5%減)、14億円の減益となり過去最も低い水準となりました。
○特別利益4億円、赤字店舗の減損損失、㈱リブロプラスにおける企業年金基金脱退による損失等特別損失7億円及び法人税、繰延税金資産の取崩し等10億円を加減すると親会社株主に帰属する当期純損失は2億円(対前年129.0%減)となりました。
施策の概況
本年度は新中期経営計画「Build NIPPAN group 2.0」の初年度にあたり、「本を起点に広がる可能性に挑戦する」のコンセプトのもと、「本業の復活」「本業を支える事業を成長させる」の実現に向け、各種施策に取り組んでまいりました。
■「本業の復活」に向けた取り組み
〇店頭活性化施策
2019年4月の書店店頭売上は100.9%となりました。2、3月に引き続き3か月連続での前年超えとなり、店頭にも復調の兆しが見えています。
書店の店頭売上向上を目的とした販促企画である「書店祭」は、2019 年 2 月実施のスタンプラリー企画に、全国 1,004 店舗が参加し、店頭売上アップに貢献しました。
2018年夏から好調が続くコミックは、書店店頭での「コミック 1 巻試し読み」施策や、従来のレーベル別ではなく、新しいニーズに対応した「テーマ」で棚を作り、売り場の見せ方を変えることで売り伸ばしを図る「recommend shelf(レコメンドシェルフ)」など、読者と新しいタイトルとの出会いを生む施策に取り組んでいます。
〇PARTNERS契約による書店マージン改善
PARTNERS契約を締結した書店は取引書店の売上シェアで約8割の規模になっています。売上アップ、返品減少への恒常的な取り組みの結果、返品率は34.5%(書店ルート全体37.1%)となりました。書店にマージンを還元する「Profit企画」については、常時約10,000点が企画商品として稼働しております。
〇マーケット需要に基づいた仕入れ
売上データに基づいた需要予測と自動商品供給を行う「リリーフA」や、各店舗で独自に売れている銘柄の適正在庫を確保する「ストックサポート」など、マーケット需要に基づいた仕入れを拡大しています。今後も、書店意思を反映した仕入れを行い、マーケットニーズに沿った流通をすることで、業界三者の収益拡大を目指します。
〇新業態への挑戦
地域の書店活性化に向け、㈱ファミリーマートと提携し、コンビニエンスストア一体型店舗を展開しています。2018年度は、「ファミリーマート クロスブックス我孫子店」や「ファミリーマート 多田屋稲毛店」など6店舗をオープンし、現在12店舗となりました。書店の文化的価値とコンビニエンスストアの商品力・利便性機能を兼ね備えた新業態で、より便利で豊かな生活を提案してまいります。
箱根強羅温泉に所有する当社保養所をリノベーションして、ブックホテル「箱根本箱」を2018年8月にオープンしました。ブックホテルを中心に、ブックストア、レストラン&カフェ、ショップ、シアタールームなどを備えた複合施設です。多くのメディアに取り上げられ、大きな話題を呼びました。
12月には、本と出会うための本屋「文喫」を六本木にオープンしました。「文喫」は本との新たな出会いをテーマにした入場料のある書店です。人文科学や自然科学からデザイン・アートに至るまで約3万冊の書籍を販売しています。「本と出会い、向き合い、購入してもらう」という一連の体験を通じて、「本を選ぶ豊かな時間」を提供しています。
■「本業を支える事業を成長させる」取り組み
〇海外での市場拡大
海外駐在員向け生活支援サービスである「CLUB JAPAN」は、新規の顧客獲得等により堅調に売上を伸ばし、多くのお客さまにご支持いただいております。輸出については台湾・中国向けを拡大、輸入については海外からの文具雑貨の仕入れに新たに取り組みました。
〇文具・雑貨の取り扱い拡大
本との親和性が高く、高粗利商材である文具・雑貨の導入の推進も行っており、書店様をサポートするための基盤を整えています。文具パッケージ「Sta×2(スタスタ)」は導入店舗数が295店に拡大し、日販オリジナルブランド「Hmmm!?(ん!?)」やカレンダー、日記・手帳などのPB商品の開発に力を入れました。2018年度はPB商品20アイテムをリリースしています。
〇新たな事業の定着
パンシェルジュ検定から派生し、横浜赤レンガ倉庫で年2回開催している「パンのフェス」は、倉敷や平塚での地方開催も実現しました。
2018年12月には、“見て・触れて・買える”文具イベントとして日本最大級の規模を誇る「文具女子博2018」を開催しました。昨年に続き、2度目の開催となりましたが、3日間でのべ3万5000人ものお客さまにご来場いただき、好評を博しました。2019年4月には、文具女子博初の地方開催となる「文具女子博petit大阪」を開催し、こちらも多くのお客さまにご来場いただきました。
〇グリーン事業
2018年6月に、そら植物園㈱と合弁で設立した日本緑化企画㈱は、「植物を届ける」をコンセプトに掲げ、直営店事業(「アヲ GINZA TOKYO」の運営)と貸鉢事業の2つの事業を展開しております。
詳細は以下PDFよりご確認ください。
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