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2015年度(第68期中間)決算概況

■2015年度(第68期)中間決算は減収減益

○日販グループ(連結子会社数:22社)の2015年度中間決算(4-9月期)の連結売上高は305,179百万円で前年に対し3.6%減、11,345百万円の減収となりました。書店店頭における雑誌売上の大きな減少が主因となっています。

○損益については、雑誌の送品減、返品増による減収に加え、運賃値上げによる運送費増加の影響により、親会社株主に帰属する中間純利益(前年までの連結中間純利益を名称変更)は280百万円、対前年では56.0%減、358百万円の減益となりました。

①商品別売上概況

○雑誌は、定期誌もムックも大きく売上が減少しています。特に月刊誌の女性ファッション誌は対前年で15%前後の売上減少となり、大きく影響しました。一方、店頭では定期購読システムであるMaga-STOCK導入店の売上対前年比が非導入店との比較でプラス2%となりました。Maga-STOCK会員は、一般会員と比較して購買回数が4.8倍・購買単価は1.23倍であり、定期購読している雑誌以外にも高頻度で購入いただける優良顧客であることから、今後どれだけ定期購読者数を増やせるかということも課題となっています。

○書籍は『火花』(文藝春秋)が週間ベストセラーで9週連続売上1位となり売上を牽引しました。また『君の膵臓をたべたい』(双葉社)が安定的に売れ続けていることなどの影響もあり、文芸書の店頭売上実績は対前年2.4%増と好調でした。教科書改定の影響もあり学参書も同じく好調です。しかし、文庫は非常に苦戦しており、店頭売上実績が対前年▲8.1%となりました。単価が低い商品の返品率が高まることは配送コスト上の問題も多く、今後の課題です。

○開発商品は『日本一簡単に家で焼けるパンレシピ』『日本一簡単に家で焼けるちぎりパンレシピ 』(宝島社)の売上がInstagramでの人気もあり非常に好調でした。昨年度より力を入れているPB商品ではアニメ化作品のグッズが販売数を伸ばしました。また、DULTON(ダルトン)の商品ではリーディンググラスの導入店舗数が増加しました。しかし開発品全体の売上は伸び悩み、対前年▲5.0%となりました。

○コミックス(雑誌・書籍・開発商品に含まれる)は、アメトーーク(テレビ朝日)「キングダム芸人」の影響で大きくヒットした『キングダム』(集英社)が非常に好調で売上を伸ばしました。しかし『NARUTO』『黒子のバスケ』など大型銘柄が完結したことや、今年の映像化作品が原作の売り伸ばしにつながりにくかったこともあり、売上は対前年▲4.3%となりました。

②施策の概況

○PARTNERS契約店の実績は、書籍返品率は対前年0.9ポイント改善して38.0%、雑誌返品率は同2.3ポイント悪化し36.7%となりました。契約書店様と書籍返品率25%を目指す取り組み「Attack25」では、期首の返品増加が影響し、返品率25%達成は2法人に留まりました。一方、契約出版社様は97社と対前年プラス8社、シェアは56.2%で対前年プラス5.4%と増加し、書店様への還元額も増えております。

○書店店頭でタブレット端末による在庫検索と注文が可能な「attaplus! (アッタプラス)」のサービスも導入店が増えています。また、attaplus!のバックエンドのシステムを利用した端末が梅田 蔦屋書店や蔦屋家電などにも導入されました。どちらのシステムも導入拡大を目指します。

○『進撃の巨人』の映画公開を記念して「進撃の書店祭」キャンペーンを全国542店舗で実施しました。キャンペーン期間(7月17日~8月31日)の売上前年比は98.4%となり、前年超えまでには至りませんでしたが、売上前年比を実施前2ヶ月間よりも3.5%押上げる結果となりました。

○本年4月の組織改定により、マーケティング本部内にMD・コミック・ムック・実用書の4チームからなる「販売企画グループ」を設置しました。仕入から店頭の販売企画まで一貫した取り組みで売り伸ばしを図り、様々な店頭企画を推進するほか、コミック売場の活性化、ムックと実用書の売場の融合による売上拡大の取組など、新しい売り方の検討を行っています。  また、読書ニーズを喚起するPB商品の制作も行っており『月刊文藝春秋9月号』を特装版PB商品として発売しました。特別付録は芥川龍之介が死去した際に刊行された昭和2年9月号の『月刊文藝春秋 芥川龍之介追悼號』の復刻版で、本誌には『火花』が掲載されたこともあり、2週間でほぼ完売となりました。

○従来の広報誌やMD計画書の情報を利用したWEBサイト「ほんのひきだし」を5月に開設し、出版業界の方だけでなく一般の方向けに情報発信を始めました。記事の内容では書店情報やコミックの記事の人気が高く、今後日販に集まる書籍情報や書店情報はWEBに掲載していく方向で進めていきたいと考えています。

○趣味検定や映画製作で蓄積したノウハウを活かすため、アニメ・ゲーム・アイドルなどのオタクカルチャーを中心に、人がウキウキするコトをつくり、提供することを研究・開発する「ウキウキ研究所」が発足しました。11月下旬にファン自身が専用webから編集できる、でんぱ組.incの写真集を発売する予定です。

③グループ会社概況

○日販アイ・ピー・エス(株)は海外駐在員向けの通販サイトCLUB JAPANが好調を維持しており、加えて海外書店向けの輸出や洋書・洋雑誌の輸入も売上増となりました。9月からは米英の書店やネット書店で英文併記の和書30点の販売を開始しました。今後も継続して銘柄を追加していき、販売地域も拡大していく予定です。

○(株)ダルトンは、キッチン用品『GLUTTON(グラットン)』など新商品を中心に、既存取引先への販売が対前年を上回り直営店舗も好調に推移しました。書店向け売上も、雑貨コーナー売場「with MARCHE」導入拡大もあり増収となりました。今後も、DULTONブランドを浸透させるべく、直営店出店等「場の提案」を通じてさらなる収益拡大を図ります。

○(株)リブロは池袋本店をはじめとした閉鎖店舗の影響で減益となりました。一方、期首に首都圏エリアでTSUTAYA店舗の統合を目的に設立した(株)BSM社を中心に、(株)すばる、(株)MeLTS、(株)ブラスメディアコーポレーションの3社が店舗運営ノウハウの相互活用や管理業務の集中化に取組み、3社ともに収益改善による増益となりました。今後更なる統合メリットを創出していきます。

詳細は以下PDFよりご確認ください。

2015年度(第68期中間)決算報告資料(PDF)