• ニュースリリース

2018年度 中間決算報告

連結経営成績

2018年度 中間決算は減収減益

 日販グループ(連結子会社数27社)の2018年度中間期の売上高は2,640億円と6.6%減。雑誌、レンタル、ゲームを中心に減少し、185億円の減収となりました。

 書籍は物流拠点統合や返品荷造費の削減に努め赤字幅を圧縮したものの、雑誌の減収に加えて、運賃単価の値上げやCVSルートの輸配送効率悪化が影響し、出版流通業の営業利益は5億円を超える減益となりました。

 小売業も粗利益率の高い商材の拡大、本部機能の効率化等の施策を推し進めましたが、市場のダウントレンドは止まらず、加えて店舗改装費用や改装のための一時閉店などの影響により減益となりました。

 以上の結果から、営業利益は5億円(対前年58.5%減)と8億円の減益となりました。経常利益は6億円(対前年56.5%減)と同じく8億円の減益となり、営業利益、経常利益ともに過去10年間で最も低い水準となりました。
 特別損益及び法人税等を加減した、親会社株主に帰属する中間純利益は3億円(対前年54.7%減)となり、4億円の減益となりました。

施策の概況

 本年度は新中期経営計画「Build NIPPAN group 2.0」の初年度にあたり、「本を起点に広がる可能性に挑戦する」のコンセプトのもと、「本業の復活」「本業を支える事業を成長させる」の実現に向け、各種施策に取り組んでまいります。
 「本業の復活」では、書籍で利益が出る流通モデルの確立と新たなマーケットの創造、さらに書店で利益を生み出し続けることのできるモデルの構築に取り組み、そのモデルをお取引様へも提案し、共に成長する姿を目指します。
 「本業を支える事業を成長させる」では、文具・雑貨、検定・映像などを事業化し、収益を高めることで、書店様の店頭の多様化を進めてまいります。

■「本業の復活」に向けた取り組み
・出版社との取引条件協議
書籍の取次事業は赤字幅を圧縮したものの、雑誌の売上減少は止まらず、輸配送効率はより悪化しています。出版物の安定配送・安定供給のためには、雑誌流通に頼らずとも書籍で成り立つ出版流通基盤の構築が喫緊の課題となっています。
日販では、流通コストの抑制に努めると共に、出版社と仕入条件の見直しや物流コストの一部負担に関する協議を行っています。多数の出版社より回答をいただいておりますが、今後も引き続き協議を行ってまいります。

・PARTNERS契約の推進による書店マージン改善の取り組み
PARTNERS契約を締結した書店は取引書店の売上シェアで約8割の規模になっています。売上アップ、返品減少への恒常的な取り組みの結果、返品率は38.1%(書店ルート全体39.7%)と低い実績にとどまっています。書店にマージンを還元する「Profit企画」については、常時約9,000点が企画商品として稼働しております。

・機会損失を防ぐ取り組み
発注代行サービス「リリーフA」や、各店舗で独自に売れている銘柄の適正在庫を確保する「ストックサポート」を促進し、店頭在庫充足率向上と、書店の発注業務削減に取り組みました。2018年6月より稼働した「ストックサポート」は導入店舗数が800店を超え、高売上、低返品の良質な送品を実現しております。今後はさらなる導入店舗拡大を進め、より適正な在庫コンディションの維持に努めてまいります。

・AIを活用した選書サービス「SeleBoo」開発
富士通㈱とともに、売場のコンセプトや客層など書店の特徴に合わせてAIが自動で選書を行う選書サービス「SeleBoo(セレブー)」を開発しました。国内で流通する約60万点の書籍から、売り場のテーマや書店の客層に合わせた書籍リストを、富士通㈱のAIを活用したビッグデータ分析により導き出すAI選書サービスです。2018年9月に、取引書店向けにサービス展開を開始し、現在23法人に導入されています。書店の店頭フェアやイベントでの選書に活用いただくことで、魅力ある店舗づくりを支援します。

■「本業を支える事業を成長させる」取り組み
・「本との出会いの場」の提案
地域の書店の活性化に向け、CVS一体型店舗を展開しています。2018年の夏には、「ファミリーマート+ファミリーブックス福光店」「ファミリーマートハラトク書店米沢店」「ファミリーマート積文館書店三日月店」の3店舗をオープンし、店舗数は11店となりました。CVSと書店を融合させた新業態の出店を加速させ、社会・生活インフラ企業としての小売業態を実現し、更なる利便性向上へ貢献してまいります。

・本を通じた新しいライフスタイルの提案
本を通じた新しいライフスタイルの提案として、ブックホテルを中心とした複合施設「箱根本箱」を2018年8月にオープンしました。日販が強羅温泉に所有する保養所「あしかり」を全面リノベーションしたもので、ブックホテルを中心に、ブックストア、レストラン&カフェ、ショップ、コワーキングスペースなどを備えた複合施設です。12月には「文喫」をオープンします。「文喫」は本との新たな出会いをテーマにした入場料のある本屋です。

・文具・雑貨の取り扱いの拡大
本との親和性が高く、高粗利商材である文具・雑貨の導入を推進しています。推進にあたり、書店をサポートするための基盤を整えています。文具パッケージ「Sta×2(スタスタ)」の導入店舗数は272店に拡大、日販PBパッケージ「Hmmm!?(ん!?)」の銘柄数は78点に達しました。
また、2018年6月に、㈱MPDの文具雑貨の物流を担うC5SP㈱を設立しました。

・新たな事業の定着
検定事業から派生し、年2回開催している「パンのフェス」は2018年9月に5回目の開催を迎え、13万人を超えるお客様にご来場いただきました。
2017年12月に開催した日本最大級の文具の祭典「文具女子博」は、2018年12月に2回目となる「文具女子博2018」を開催します。また本イベントに先駆け、プレイベントとして2018年10月に「文具女子博予習編」を開催し、「文具女子博2018」限定商品の一部先行発売や、前売り入場チケットの発売を行いました。2日間で約1万5000人ものお客さまにご来場いただき、好評を博しました。

詳細は以下PDFよりご確認ください。

2018年度 中間決算報告

■本件に関するお問い合わせ
日本出版販売株式会社 広報室
TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045
E-mail: press@nippan.co.jp