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2020年 年間ベストセラー総合第1位・第2位は『鬼滅の刃 しあわせの花』『鬼滅の刃 片羽の蝶』

■全体の傾向

今回のランキングは、「鬼滅の刃」「新型コロナウイルス」という2つの大きな社会現象・社会情勢を色濃く映す結果となった。

【まさに「鬼滅ブーム」の2020年 】
「週刊少年ジャンプ」での「鬼滅の刃」の連載は、2020年5月18日に幕を下ろしたが、10月16日に公開された「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」は大ヒットを記録しており、まさに「鬼滅ブーム」の1年だったといえる。
さらに12月4日にはコミックス最終巻が発売予定で、ブームはまだまだ継続するとみられる。

【新型コロナウイルスの影響で、「おうち時間」「コミュニケーション」がキーワードに】
5月の緊急事態宣言解除後、休業要請は徐々に緩和されたものの、新型コロナウイルスの感染拡大は依然として収まっていない。「ウィズ・コロナ」を模索する中にあって、人々の関心が家での過ごし方やライフスタイル、働き方、人間関係のあり方などに向かったと考えられ、「おうち時間」「コミュニケーション」 に関連する作品のランクインが目立った。

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■ジャンル別の傾向

【総合】「鬼滅の刃」小説版が堂々の第1位に!
人気コミック「鬼滅の刃」の小説版『鬼滅の刃 しあわせの花』『鬼滅の刃 片羽の蝶』が総合第1位・第2位となった。また第4位にも同シリーズ『鬼滅の刃 風の道しるべ』がランクイン。コミックランキングでも第1位を獲得し、「鬼滅の刃」がランキング上位を席捲した。
また新型コロナウイルスの影響による「おうち時間」の中で、オンラインで友達と繋がれることが需要とマッチし大人気となったゲーム「あつまれ どうぶつの森」攻略本が第3位・第5位となったほか、第9位にはレシピ本『世界一美味しい手抜きごはん』がランクインした。第12位はコミュニケーション術を解説した『人は話し方が9割』。人と距離を取ることを余儀なくされているコロナ禍の今だからこそ、コミュニケーションを重要視する人が増えてきていることが見てとれる。

【単行本フィクション】本屋大賞受賞作『流浪の月』が一番読まれた小説に!
第1位は凪良ゆうさんの『流浪の月』。「普通」を揺さぶる、引き離された男女の物語である同作は、その繊細な感情描写が書店員の心を掴み、「2020年本屋大賞」を受賞。多くの読者を獲得した。
人と犬の強い絆を描き、「163回直木賞」を受賞した『少年と犬』が第2位となった。第3位は半沢直樹の原点を描いたシリーズ最新刊『半沢直樹 アルルカンと道化師』。テレビドラマ放送後も勢いそのままに、急激に売上を伸ばし、発売後約2か月でランクイン。神様・ガネーシャの示す難題に挑みながら成長する主人公の姿を描き、「自己啓発小説」という新しいジャンルを開拓した、『夢をかなえるゾウ(4)』が第10位。同作はシリーズ初の「死」をテーマにした内容で、夢の叶え方に加え、夢の手放し方についても触れている。

【単行本実用】「手抜きごはん」「やせ筋トレ」がランクイン。「おうち時間」がヒットのカギ?
失敗なしでおいしい料理が作れる『世界一美味しい手抜きごはん』が第1位を獲得。自炊への関心、食生活の見直し、運動不足の解消といった健康意識の高まりが反映され、レシピ本や筋トレに関する作品が多くを占める結果となった。在宅ワークの導入もあり、レシピ本のトレンドはますます「SNS・簡単・時短」の傾向に。また『リュウジ式 悪魔のレシピ』『魔法のてぬきおやつ』『藤井弁当』は「料理レシピ本大賞」の受賞作。第1位の『世界一美味しい手抜きごはん』も前年の受賞作であり、同賞の注目も年々高まっている。

【単行本ビジネス】コロナ禍でビジネスパーソンが求めるのは「コミュニケーション力」
『人は話し方が9割』や『「繊細さん」の本』など、話し方や人間関係の悩みに関する書籍がランキングを占め、「コミュニケーション」への意識の高まりを示す結果となった。また、世界を読み解く習慣を説いた『FACTFULNESS』が上位にランクイン。将来の予測が困難な状況において、日々の不安やストレスを取り除くために、ビジネス書を購入する人が増えたと考えられる。

【文庫】第1位は伊坂幸太郎『AX アックス』。感染症を題材にした『ペスト』もランクイン!
伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズ『AX アックス』が第1位となった。東野圭吾さんの『マスカレード・ナイト』は大きく売上を伸ばし、発売後約2か月で第2位にランクインした。第5位にはペスト感染症により街が封鎖されたアルジェリアの人々の姿を描いた『ペスト』がランクイン。1947年に発表された作品ながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響で注目を集め、売上を伸ばした。

【児童書】親子で学べる『こども六法』が第1位!
子ども向けに法律を分かりやすく解説した『こども六法』や、「働くこと」についてマンガやイラストで解説した『なぜ僕らは働くのか』が上位にランクインするなど、例年と比較し、教養要素の強い児童書が売れる傾向がみられた。その背景には、一斉休校による学習の遅れや、自宅学習が増えたことなどがあると考えられる。「おうち時間」で子どもと一緒に読んで学びたいという親世代の需要が売上増加に結びついた。また「おしりたんてい」「ざんねんないきもの」などの人気シリーズも昨年に引き続きランクイン。不動の人気を誇っている。

【写真集】田中みな実さんが圧倒的な売上を記録!
『田中みな実1st写真集 Sincerely yours…』が、累計発行部数60万部と、第2位以下に大差をつけ第1位となった。全国7箇所で「お渡し会」を開催するなどファンサービスも厚く、女性からの支持が高かったのも特徴的。フリーアナウンサーとして活躍する傍ら、ドラマ出演など年間を通じて話題も多く、刊行から1年が経過する現在も売上を伸ばしている。
乃木坂46メンバーの人気も健在で、トップ10のうち8作品がランクインした。『白石麻衣写真集 パスポート』は2017年発売ながら、グループ卒業発表以降、再び売上を伸ばして第6位に浮上。10月発売の『MAI SHIRAISHI MEMORIAL MAGAZINE』も話題となっている。

【コミック】「鬼滅の刃」ブームが加速した1年! 
「鬼滅の刃」が上半期に続き第1位となった。第4位には「鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺見聞録」もランクイン。10月のテレビ地上波でのアニメ放送と映画の公開後さらに売上が加速し、12月4日の最終巻発売に向けてますます盛り上がりを見せている。第7位の「約束のネバーランド」、第10位の「ハイキュー!!」もそれぞれ10月・11月に最終巻が発売となったが、完結後も既刊を含めて売上を伸ばしている。

■弊社ベストセラー情報は、約3,000軒の書店様のPOS販売データを基に、全国の書店様での販売状況を
 総合的に勘案して作成しております。
■集計期間は2019年11月24日~2020年11月23日までです。
■同日発売の上下巻等は上位の巻の順位で掲載しております。

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