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2018年度 日販グループ入社式を開催

 日本出版販売株式会社(代表取締役社長:平林 彰、略称:日販)は、4月2日、本社5階会議室で2018年度 日販グループ入社式を開催し、日販および関連会社の役員が、日販グループの新入社員にエールを送りました。式典は、社内成果発表大会や、先輩社員からの応援メッセージの映像に続き、平林社長の挨拶、新入社員による決意表明で締めくくられました。平林社長の挨拶は以下の通りです。

【平林社長挨拶(要旨)】

 日販グループを代表して、皆さんの入社を歓迎します。
 私たちが扱うビジネスの根幹には本があります。本というのは、単なる物理的な「もの」ではなく、作り手の意思や感動、想いをつづった言葉や絵、写真、漫画などによって構成された「価値ある集合体」であるというのが、私なりの解釈です。皆さんも、本という価値あるものを扱う仕事に、ぜひ誇りをもってください。

 さて、2016年に河出書房新社から発売され、ベストセラーになった『サピエンス全史』という本がありますが、本書によれば、農業革命によって人間は爆発的な生産力を手に入れましたが、反面、天候の変化で大きな飢饉が起き、狩猟採集生活の頃よりも死者が増えたといいます。
 さらにその後の第一次産業革命ではワットが発明した蒸気機関が、第二次産業革命では電気と石油が登場し、人間の生活は飛躍的に進化してきました。そして第三次産業革命はコンピュータの登場です。これによって、いわゆるオートメーションという言葉が生まれました。私は40年ほど前に入社しましたが、当時はそろばんを使って大量の伝票を計算するという仕事を、毎日繰り返していました。今は、コンピュータによって飛躍的に生産性が高まったため、そのような仕事はほとんど残っていません。
 ところで、皆さんの物心がついた頃、家庭や身の回りには何があったでしょうか? おそらく、家庭にはパソコンがあったのではないかと思います。ちょうどその頃は、1995年にWindows95が発売されて、膨大な数のパソコンが日本中、世界中で購入された時代です。私は現在60歳ですが、物心がついた頃はようやく白黒テレビが見られるようになった時代で、チャンネルは本体についたダイヤルを手で回す形でした。つまり、私たちの時代と皆さんの時代とでは、生まれた頃からすでに周りの環境が違うということです。

 そして今、第四次産業革命の時代です。これはIoTとAIによる革命といわれています。一説では、コンピュータの処理能力は、18か月で2倍になるといいます。そして、AIの能力もまた、非連続的に高まり続けています。こういう時代にあっては、未来というのは、過去に行われた仕事の延長線上にはやってきません。つまり、上司や先輩でも力の及ばないようなことが、皆さんの目の前にやってくるということです。デジタルネイティブと言われる世代の皆さんには、こうした時代を切り拓き、明日の日販グループを牽引する力になってほしいと思っています。

 皆さんには、会社の中だけではなく、社会や産学官の中に置かれても、一人ひとりが「個」として市場価値を常に持つような存在を目指してほしいと思っています。そのことを踏まえ、本日は皆さんに、3つのメッセージを送ります。
 1つ目は、「グローバルな視野」を持つということです。インターネットによって世界中が繋がり、もはや距離も時間も問題にはなりません。ときにはワールドニュースを見て、今海外でどういうことが起きているのかを知ると、それが自ずと我々の生活、あるいはビジネスに影響してくるということを理解できるはずです。
 2つ目は、「本質を見極める力」を持つということです。外形的には色々なことが変わっているけれど、実は本質は同じで何も変わっていない、ということがよくあります。なぜこういうことになっているのか、なぜこういう仕事をしているのか、という本質を見極めてほしいと思います。
 3つ目は、「基本に忠実なアクション」です。基本は非常に大切です。歌舞伎役者の18代目中村勘三郎さんは「型があるから型破り、そもそも型ができていない人間は単なる形無しだ」という名言を残しています。名優ほど懸命にリハーサルをやるそうです。基本を疎かにせず、大切にしてほしいと思います。

 日販グループに入ってくれたことを感謝し、今日から皆さんと同じ道を歩んでいきたいと思っています。入社おめでとう。

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