第33回 北海道日販会総会を開催
北海道日販会(会長:中尾邦幸 有限会社マル五中尾書店 代表取締役社長)は7月10日、札幌市の札幌パークホテルにて第33回総会を開催し、会員書店はじめ、出版社、日販関係者あわせて267名が出席した。
冒頭、中尾会長が挨拶に立ち、「東日本大震災からの復興はまだ充分でなく、また、震災を機に日本としては多くの課題が浮き彫りとなりましたが、出版業界では多方面からのご協力をいただき、あらためて業界内の繋がりを確認することができました。今後も厳しい状況が続くと思いますが、笑顔だけは絶やさずに、皆さんで頑張っていきましょう」と述べた。続いて、昨年度の事業経過報告・会計報告及び今年度の事業計画案・予算案が審議され、いずれも可決・承認された。
来賓を代表して挨拶に立った古屋文明 日販代表取締役社長は「出版業界では、ベストセラーが数多く生まれた昨年の反動が出て、このところ特に書籍の返品率が増えています。日販の先期決算も14年連続の減収となってしまいました。書籍についてはベストセラーが多く出たことで売上増・返品減を達成できましたが、依然雑誌のダウントレンドは続いています。雑誌の販売促進については、各種店頭施策を企画・実行して、売り伸ばしに向けさらに尽力してまいります。書籍については、委託にとらわれない流通改革を実現し、2015年までに返品率25%を達成することを目指しています。このゴールステートメントに向けて、取引先各社のご理解・ご協力のもと、2年前よりPARTNERS契約の締結を進めてまいりました。おかげさまで現在では、㈱MPDのチャージ契約店と合わせて全体の7割を超える書店様と契約を締結させていただいております。しかし一方で『競合店に比べて商品供給が少ないのではないか』『返品率を25%まで下げると機会損失が発生するのではないか』『返品を減らして出版社は本当に儲かるのか』といった要望や不安の声も寄せられております。これらの不安点をクリアにすべく、この4月からスタートさせた新しい中期経営計画『Change』では、さらなる『出版流通改革の実現』による業界三者の利益最大化を目指します。あわせてHonya ClubおよびHonya Club.comを基盤とした読者への積極的なアプローチにより店頭を活性化させる『CRMの推進』、新たな需要を生み出す商材や事業の開発にグループ総力を挙げて臨む『事業領域の拡大』に取り組みます。電子書籍の台頭も予測される中、リアル書店がいかに読者を引きつけられるか、購入につなげられるか。われわれが努力・挑戦していかなければならない点はまだまだあると思っています。日販もグループを挙げてご支援をしてまいりますので、共に頑張ってまいりましょう」と述べた。
総会終了後は記念講演が2部制で行われ、第1部では「日販が進める出版流通改革」をテーマに縣 智弘 日販流通改革推進グループ課長が、日販の取引制度改革に対する書店・出版社からの意見に答える形で、出版業界の売上拡大・効率販売を目指したメニューや日販の行うサポートの内容を具体的に紹介した。第2部では「日販のCRM戦略」として、鈴木友紀子 日販CRM事業部Honya Club推進課係長が、Honya Club、Honya Club.com、WIN+等で利用できるサービスの内容を紹介し、CRM戦略によって書店に新たな売上・利益を創出させる取り組みについて語った。
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