第24回静岡日販会総会を開催
静岡日販会(会長:斉藤行雄 谷島屋代表取締役社長)は11月13日、静岡市の静岡グランドホテル中島屋にて第24回総会を開催し、会員書店はじめ、出版社、日販関係者あわせて163名が出席した。
冒頭、挨拶に立った斉藤会長は、「今年は富士山が世界文化遺産に登録された。日販会の会員書店では関連書籍の店頭フェアを実施し、非常に大きな売上をあげることができた。一方で、アベノミクス効果で好況という報道もあるが、出版業界にはまだ届いていない。このような状況で地方の書店が営みを続けていくのは非常に厳しく、日販・出版社と一緒に努力をする必要がある。日販からの『書店マージンアップ』の提案に書店側も応えて、その提案のひとつである High-Profit商品を売っていくことが大事だ。電子書籍・ネット販売・古書店などで読書の手段が変わっても、習慣そのものがなくなることはない。静岡県では、昨年から書店員が自発的に『静岡書店大賞』を企画し、今年は2回目となる。紙の本の魅力を発掘して、店頭でお客様に提案していく活動の積み上げが大切である。その他、静岡日販会では㈱リブロを講師として『接客サービスの向上による商品ロス抑制』というテーマで講演会を実施し、参加した書店員からも非常に好評だった。今後もこのような研修を続け、書店員のスキルアップを図りたい。また、来店客を増やすため、日販の『祭』を積極的に実施していきたい。さらに、購入率を高めるために『書店員がお薦めするコミックフェア』を会員書店店頭で実施している。この後に大商談会が開催されるが、多くの出版社と書店が商品情報を交換し、互いに新しいスキルをつけていける機会になればよい」と述べた。 続いて、昨年度の事業経過報告・会計報告及び今年度の事業計画案・予算案が審議され、いずれも可決・承認された。また、本年度は役員改選の年であったが、役員全員が留任となった。
続いて、来賓を代表して挨拶に立った平林 彰 日販代表取締役社長は、「はじめに、静岡県は企業のテストマーケティングをすることで有名である。つまり、新しい取り組みの成功事例は静岡から生まれるということである。日販の『支店長レコメンド』の取り組みでは、いなば食品㈱とのコラボレーションで『いなばのタイカレー缶レシピ』(飛鳥新社)の販売促進を実施した。その結果、日販全体の売上冊数に占める静岡支店の割合は5.1%となり、静岡県の人口構成比2.9%を上回る冊数を売っていただいた。また、静岡県出身の作家の作品は比較的売れているが、中には全国並みの売上の作品もある。今後は『バイロケーション』(法条遙著・KADOKAWA)の増売に取り組むと伺っているので、ぜひ全国1番の実績を上げていただきたい。
次に、雑誌定期購読獲得については、依然厳しい状況が続く中でも、売上前年比が100%を上回る書店がある。そのような書店では、定期購読の獲得目標を掲げてスタッフ全員で声掛けを徹底したり、申し込みされたお客様へのポイント・ノベルティ提供を行ったり、雑誌の提案コーナーを設置するなどしている。日販では、雑誌定期購読拡大のため『Maga-STOCK』を展開している。導入店では、申し込みされたお客様の1回あたりの平均買上冊数・平均購買金額・1ヶ月の来店回数が、一般のお客様に比べて上回っている。これは、お客様が定期購読銘柄を受け取りに来店する際、他の商品も買っているということである。定期購読には全体の売上を上げる効果がある。今後この仕組みを、日販POS導入店であればHonya Club加盟店以外でも利用できるようにしていく。
最後に、2013年度も『夏祭』を開催した。実施店では、未実施店と比べると買上客数アップに効果があった。静岡県でも会員書店に取り組んでいただいたものの、静岡支店の買上客数は前年比97.3%と苦戦している。現在、『秋祭』を実施中なので、一緒に頑張っていきたい」と述べた。 総会終了後、大商談会を開催した。会場にて富士山フェア店頭陳列コンクールの取り組み写真を掲示し、参加出版社による投票を行い、続いて開催された懇親会にて最優秀店1店、優秀店3店を表彰した。表彰店は以下の通り。
《最優秀店》 三原屋アピタ店
《優秀店》 BOOKS銀屋、谷島屋イオンモール浜松志都呂店、谷島屋エキマチ店