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第21回京滋日販会総会を開催

京滋日販会(会長:冨田英男 葵書房代表取締役)は2月2日、京都市南区の新・都ホテルで会員書店をはじめ出版社、日販関係者合わせて127人出席のもと第21回京滋日販会総会を開催した。総会当日は20年ぶりの大寒波到来で交通網に乱れが生じ、会員書店の4名が欠席となった。

冒頭、冨田会長が挨拶に立ち「歴史を振り返ると、京滋日販会の会員数はこの20年間で残念ながら半分となった。この厳しい時代を生き残っていくために、京滋日販会は昨年度、事業委員会と研修委員会を立ち上げ、拡販活動や実務研修会を開催した。会員書店のメリットに繋がるよう、引き続き活動を活発化させていく。また店頭では、雑誌の落ち込みに歯止めが掛からないが、お客様の中には読みたいにもかかわらず手に取れない方が多くいる。今一度、定期購読の獲得強化を京滋日販会で積極的に取り上げていきたい」と述べた。
続いて昨年度の事業報告及び今年度の事業計画案、予算案などの審議、役員の改選が行われ、いずれも可決・承認された。(役員体制は下記の通り)

総会終了後は記念講演として、京都府立大学客員教授・京都府立植物園名誉園長 松谷茂氏が「『負けへんで!』~右肩下りからのよみがえり」と題し、自身が名誉園長を務める植物園の経営危機を打破するため日々職員と奮闘し、「ホンマモンの植物」で勝負することで幾多の困難を乗り越えてきた実話を講演した。松谷氏の「ぐちゃぐちゃ言わずにやり切る」「想いを言い続ける」との諦めない姿勢は、参加者の共感を呼んだ。

その後、懇親会では来賓を代表して古屋文明 日販代表取締役社長が、「昨年の販売金額は、書籍は前年並みだが雑誌は過去最大の落ち込みで1兆円を割り込んだ。冨田会長より雑誌の定期購読を強化したいとの話もあったが、日販のマガジンエクスプレスを活用して売上確保に繋げて頂きたい。日販は現在書店の利益改善に向けて取引制度改革を推進している。PARTNERS契約店の締結店は、㈱MPDのチャージ契約を合わせると取引全体の6割を超えた。今後も出版社の協力を仰ぎながら2015年までに書籍返品率25%を達成し、書店様のマージン改善を実現したい。またネットの利便性をリアル書店で実現していくため、昨年Honya Club.comをオープンした。書店様のバックヤード機能、ネット会員とリアル書店を結び付けるスキームであり、有効に活用して頂きたい。この閉塞している環境の中で、我々が突破口を開かねばならない」と述べた。

続いて、出版社代表として杉田啓三㈱ミネルヴァ書房代表取締役社長が「近年のデジタル化は言葉・表現の質の低下に繋がっている。我々出版界は子ども=将来の読者に、紙による本の世界を伝える責任がある。関西の出版社から、日本の出版界をリードしていきたい」と乾杯の音頭を執り、懇親会は盛況となった。

<新役員体制>
幹事:洞本昌哉(ふたば書房 代表取締役)

■本件に関するお問い合わせ
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