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日販 第65期(2013.3.31)決算概況

■連結決算は減益

日販グループ(連結子会社数17社)の連結売上高は704,449百万円で、対前年+0.1%、902百万円増と、日販の書籍売上高の伸長が貢献しました。 売上総利益は77,210百万円、対前年△4.9%となりました。雑誌の減収と返品率悪化、レンタル事業の不振により、減益に転じました。 販売費及び一般管理費は、グループ全体で物流コスト削減と人件費のコントロールに取り組んだ結果、72,096百万円、対前年△3.2%となりました。 しかしながら、販管費の抑制では売上総利益の減少をカバーしきれず、営業利益は5,114百万円で、対前年△24.2%の減益。経常利益は5,784百万円で、対前年△25.4%の減益となりました。 特別損失として日販の確定給付企業年金制度終了に伴う損失や、子会社の厚生年金基金脱退損等、2,413百万円を計上しました。 結果、当期純利益は1,778百万円、対前年△45.1%の減益となりました。

一方、日販単体の売上高は、581,355百万円となりました。 内訳については、書籍売上高が261,026百万円で、対前年4.8%増。返品率も31.6%で、対前年△2.1ポイントと改善が図られました。 一方、雑誌売上高は299,530百万円、対前年△1.8%。返品率も37.3%、対前年1.6ポイント悪化と、市況の落ち込みを反映したものとなりまし た。合計の返品率は34.4%、対前年△0.1ポイントの微減となりました。 雑誌売上高の減少により原価率が上昇し、売上総利益は51,601百万円、対前年△4.7%の減益となりました。 全社でコスト削減に取り組んだ結果、販売費及び一般管理費は48,648百万円、対前年△4.1%となりました。 うち販売費は書籍返品率の改善と物流生産性の向上により、23,360百万円、対前年△2.8%となりました。また一般管理費は人件費、退職給付 費用の減少に加え、業務委託費や借地借家料等、ランニングコストの抑制により、25,288百万円、対前年△5.3%となりました。 この結果、営業利益は2,952百万円、対前年△13.2%の減益となりました。営業外損益を加えた経常利益は3,363百万円、対前年△18.6%の減益となりました。 特別損益では、グループ内で重複している事業を整理、親会社へ吸収しました。その結果、日販の子会社株式の簿価より子会社の純資産の方が多かった ため、抱合せ株式消滅差益という特別利益が2,056百万円計上されました。また確定給付企業年金制度終了に伴う特別損失1,827百万円を計上しまし た。 抱合せ株式消滅差益については、税務上では資本取引ということで法人税が課税されないということも相俟って、当期純利益は3,168百万円、対前年64.5%増となりました。

<表示方法の変更について>
第65期中間決算より日販の本業である出版取次事業売上を明示するため、売上高の内訳として「商品売上高」「その他売上高」「売上割戻」を区分して表示しています。 「売上割戻」については、従来「営業外費用」としていた入金歩戻の比率が低下し、代わって出版流通改革におけるインセンティブの支払率が増大してきたため、これらを合わせて売上高の控除項目として表示することとしました。

■新・中期経営計画「Change」がスタート

2012年4月より3カ年にわたる新・中期経営計画「Change」をスタートさせました。基本方針として「日販グループは『出版流通の改革』と『新たな需要の創出』に取り組み業界の成長を牽引する」ことを掲げ、さらなる変革に挑み続けています。

■主要施策の進展

●出版流通改革
2010年4月からスタートさせた「PARTNERS契約」は3年を経過し、㈱MPDの「チャージ契約」と合わせると、契約を締結している書店のシェアは、およそ8割となりました。また出版社との契約締結については、シェアが50%を超えました。 第65期より書店の実質マージンが最大で35%を超える商品群「High−Profit企画」の取り組みを始め、109企画、2,200タイトル をリリースしました。2015年までにはこれを10,000タイトル規模とし、書店の売場の3割程度を高マージン商品にすることを目指しています。 日販グループの出版流通改革では、2015年までに行き過ぎた委託制度を返品に制限のある制度に置き換え、書籍の返品率25%を達成すると共に、書店店頭において高マージン商品を増やすことによって、書店の利益率30%を実現させることを最終的な目的としています。

●書店の売上拡大に向けた取り組み
昨年10月から「ほんらぶプロモーション」と称して、「3 SPECIAL BOOKS」という特別サイトを開設するなど、業界全体の活性化と「本」そのものの価値を高めることを目的とした取り組みを始めました。 また書店への来店客数の増加、買上率の増加に向けて、店頭において「ほんらぶ祭り(Honya Club加盟店)」ないしは「本気祭り(Honya Club非加盟店)」と称する“祭り”企画を展開しました。この“祭り”企画においては、ポイントラリー、スタンプラリー、雑誌の定期購読申込、コミック まとめ買い、新春抽選会などを年末年始に展開。また本年3月から4月にも雑誌定期購読申込のキャンペーンを展開しました。 さらに本年3月からはCRMプログラム「Honya Club」の新機能として、定期誌の取り置きサービス「Maga-STOCK」を提供し、書店業務の省力化と定期誌購読の拡大を目指しています。

●客注対応のサービス強化
客注品の取り寄せサービス「本の超特Q! QuickBook」において、本年3月からは宅配便を利用して日曜・祝日にも出荷・店着が可能となる「スー パーQuickBook」を開始し、書店の利便性を高めると共に、読者サービスを充実させています。また昨年11月からは雑誌バックナンバーの在庫を大幅 に拡大し、日販の仕入銘柄全点を取りそろえました。 あわせて、王子流通センター及びweb-Bookセンターの在庫増強を図り、客注対応を強化しています。

●SAシステム開発
SAシステムに関しては、昨年7月に「NOCS9000」の新サービスとして、書店が新刊を事前発注できる「アドバンスMD」と、書店の適正仕入を実現す る「仕入在庫管理」を追加しました。これらのサービスは書店業務の省力化を図るとともに、「PARTNERS契約」締結店の返品率低減に効果を上げていま す。 また昨年11月には、JANコードと連携、「Honya Club」のポイント機能搭載といった特長を持つ新POSレジシステム「NP」を発売したのに加え、電子マネー決済サービスも開始しました。

 

■本件に関するお問い合わせ
日本出版販売株式会社 経営戦略室広報課 担当:岩本
TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045 >お問い合わせフォームへ