日販 「2014年新春を祝う会」開催
日本出版販売株式会社(代表取締役社長:平林 彰、本社:東京都千代田区、以下日販)は、1月7日、港区芝公園のザ・プリンス パークタワー東京で「2014年新春を祝う会」を開催し、書店、出版社、各種取引先及び日販グループ関係者あわせて2,214人が出席した。
はじめに平林社長が挨拶し、「日販POS店の年末年始の実績は、書籍は対前年94.5%、雑誌は92.5%、合計では93.5%となった。2014 年は『店頭に拘って場面を変えよう!』をキャッチフレーズに、祭企画、店頭の売上アップ、マージン・アップ等の施策に取り組んでいく。 日販の進める出版流通改革は、効率販売と需要の創出を二本柱としている。効率販売とは、返品減少によって業界コストを低減させ、プロフィットを創出していくことである。需要の創出は、優先販売や仕上がりの保証により、書店の売る力をアップさせ、プロフィットを生み出していくことである。書店のマージン・アップの施策として、 High−Profit企画があるが、昨年から「支社長High−Profit銘柄」をスタートさせ、第5弾まで展開している。また来店客数を増やすための施策として、一昨年から祭を開催している。昨年は8月と11月に開催し、着実な成果をあげた。さらに昨年の春から始めた定期雑誌の取り置きサービス『Maga-STOCK』は100店舗以上で利用していただいているが、導入店と非導入店を比べると、読者の来店回数に明らかな差が出ている。 今年は定期誌だけではなく、書籍やコミックの店頭予約にも力を入れていく。アドバンスMDで新刊配本部数の申込みをしていただければ、満数出荷で応えていく。読者から予約をとることは、来店動機に繋がり、需要の創出となり、返品減少にも繋がる。業界の利益の源泉は店頭にあるので、ここを起点にした戦略を打ち出していきたい」と述べた。
来賓を代表して挨拶に立った高井昌史㈱紀伊國屋書店代表取締役社長は「4月から消費税が上がるが、このインパクトは大きい。読者がどれだけ本にお金を回してくれるか、他の消費財とパイの取り合いになる。書店店頭がショールームとなり、外資のネットで買うという倒錯した購買行動に拍車がかかってしまうのではないか。リアルとネットのシェアは9:1となって、本との出会いの場を作っても、ネットから買われてしまうのは、業界にとって計り知れないダメージである。この変革の時期をどう乗り越えていくのかは、われわれの努力にかかっている。三位一体となり、危機意識とスピード感を持って制度を変革するしかない。読書とは何か、出版とは何かという原点に立ち返って考えることが必要である。業界の諸団体が読書環境整備、販売環境の正常化、様々なイベントなどを通して、読書人口の拡大に努めているが、さらに地道な努力の継続が必要である。今年は業界の力を結集して、よりよい出版文化をつないでいくためのエポックメーキングな年にしたい」と述べた。
その後、高井社長、丹下伸彦㈱光文社代表取締役社長、古屋文明日販代表取締役会長、平林社長による鏡開きが行われ、続いて丹下社長が「乗り越えなければならない課題は山積しているが、嘆いてばかりもいられない。出版はいつの時代でも、形が変わっても、人が人にものを売る、人が人に手渡すという基本は変わらない。光文社は『新しい価値を創造して時代を作る』ということを標榜して、出版活動に邁進してきた。今年もこれを肝に銘じて、より多く、より正確に、より早く、より楽しく、より役に立つものを読者に送り続けていきたい。そのためにも日販の展開する様々な施策を大いに活用して、この一年を乗りきっていきたい」と挨拶した後、乾杯の発声で懇親会に入った。