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「2015年度 日販懇話会」開催

 日本出版販売株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平林 彰、略称:日販)は、5月19日、東京ドームホテルにおいて「2015年度 日販懇話会」を開催し、取引書店をはじめ、出版社、日販関係者あわせて439人が出席した。
 「日販懇話会」は、日販の経営計画やさまざまな施策などについて理解を深めていただき、取引書店・出版社と強いパートナーシップを築くことを目的として、毎年開催している。今年度は平林社長と社員2名がプレゼンテーションを行った。

 冒頭のプログラムとして、大和ハウス工業株式会社代表取締役会長兼CEO 樋口 武男氏を講師に招き、記念講演「先の先を読む経営 石橋信夫に学ぶ」が行われた。

 続いて平林社長が挨拶に立ち、この4月から、「書店」の価値を高めることをビジョンとした新中期経営計画「Breakthrough」をスタートさせたことを報告した。これは2017年度までの3か年の中期経営計画となるが、ここで打ち出す戦略の背景として、近年の出版物の売上減少傾向について触れ、不採算を理由とした書店数の減少と来店客数の減少が主要因になっているとした。その対策として、書店経営の採算性向上に向けたマージン改善を実現する出版流通改革の完遂と、来店客を取り戻すために「書店」から広がる新空間の創造および個客接点の拡大が必要であり、それを新中期経営計画の柱に掲げたと述べた。

 出版流通改革の推進については販売企画グループの阿部 秀司チームリーダーが説明に立ち、これまでの流通改革の進捗と、今後の流通改革完遂に向けて、という2点を解説した。進捗としては、PARTNERS契約書店の書籍返品率は減少し、書店マージン還元率は上昇したものの、約束のゴールである書籍返品率25%と書店マージン+4%には届いていない。そこで、今後の流通改革の完遂に向けた3つの取り組みとして、①すべての商品を契約書店の意思に応じて仕入・送品するALL SCMの実現、②更に儲かる仕組みづくり、③新しい売り方を構築する、という戦略を紹介した。
 最後に登壇したリノベーショングループの富樫 建グループリーダーは、「書店」から広がる新空間の創造と個客接点の拡大についての発表を行った。冒頭に語ったのは、日販が人と本をつないでいく、というメッセージ。その手段として2つの戦略を挙げた。ひとつはお客様を書店に呼び寄せるために、スマートフォンを軸に読者が本を買うプロセスに関与し、個客との接点をつくること。そのために情報サイト「ほんのひきだし」を立ち上げ、スマートニュースをはじめ様々なサイトと連携して、多様化した購買特性を持つ個客に本の情報を届けていく。もうひとつは、人や街にあわせた店づくりをしていくこと。そのひとつの形として、自由が丘にグループ会社ダルトンの旗艦店となるDULTON with BOOK&CAFEをオープンさせる予定であることを発表した。
 
 会場の外のホワイエでは、DULTONの新空間店舗をイメージしたポップアップ・ストアで珈琲がふるまわれ、タブレット端末で「ほんのひきだし」が紹介されるなど、来場者の関心を集めた。
 会はその後懇親会に移り、参加書店・出版社との交流を深めた。

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