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「2013年度 日販懇話会」開催

日本出版販売株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:平林 彰、略称:日販)は、5月21日、東京ドームホテルにおいて「2013年度 日販懇話会」を開催し、取引書店をはじめ、出版社、日販関係者あわせて439人が出席した。 「日販懇話会」は、日販の経営計画や様々な施策などについて理解を深めていただき、取引書店・出版社と強いパートナーシップを築くことを目的として、毎年開催しているものである。今年度は日販の経営陣3名が、今期戦略のプレゼンテーションを行った。

冒頭、4月に新たに就任した平林社長が「基調報告」を行った。まず「第65期決算概況」について「日販単体決算では、売上高5,813億円で増収となった。商品別に見ると書籍は増収だが、雑誌は減収である。返品率についても書籍は改善できたが、雑誌は悪化してしまった。連結決算では売上高が 7,044億円で増収となったが、経常利益、最終利益とも減益となった」と発表した。
次に「業界の成長を牽引する戦略」について「日販では中期経営計画『Change』を先期からスタートさせたが、この基本方針として“出版流通の改革”と “新たな需要の創出”ということを掲げている。流通改革によって書店利益率を改善し、需要の創出によって書店売上の拡大を実現していきたい。書店利益の向上に向け、『買上客数×客単価×マージン率=書店利益』という方程式を立てた。日販はこのそれぞれをアップさせる施策に取り組んでいる。まずマージン率の向上については、『PARTNERS契約』による返品減少及び売上拡大という側面と、『High-profit商品』をはじめとする高粗利商品の拡大という側面がある。この両方からアプローチして、2014年度には書店マージン30%を実現させたい。返品率低減のためには、取次からの配本ではなく、書店の意思による仕入へと転換を図りたい。これによって2014年度には書籍返品率25%を目指したい。買上客数の向上については、昨年より取り組んできた『祭り』を引き続き展開していく。そして客単価の向上については、雑誌の定期購読システムである『Maga-STOCK』の導入拡大を図り、読者のついで買いを促していきたい」と述べた。
そして「戦略を実現させるために必要なインフラ」に関して「物流面では、注文品のスピードアップ、着荷確約、品質の追求が求められている。先般、『スーパーQuickBook』をスタートさせ、翌日店着・日祝日店着を実現させた。このサービスにおいては、日販在庫品の着荷を確約しているが、出版社在庫品についても同様のサービスを実施したいので、出版社の協力をお願いしたい。品質の追求については、雑誌包装フィルム厚の変更やコミック束シュリンク包装、『Honya Club.com』の注文品の個別梱包などを進めているので、さらに拡大していく。一方、情報システム面では、昨秋発売した新POS『NP』の導入拡大を図るとともに、従来の『NOCS9000』を進化させ、この度『NOCS7』として新たにリリースしたので、積極的な利用をお願いしたい」と述べた。

続いて安西浩和専務が「仕入戦略」についてプレゼンテーションを行い、出版流通改革の進捗と今後の方向性、取次からの配本ではなく書店からの仕入という方向に考え方を転換していきたい旨を説明した。 さらに吉川英作専務が「営業戦略」についてプレゼンテーションを行い、書店店頭の売上にこだわり、利益を追求するために、充足率・不稼働在庫率・送品比率・買上客数の4つの指標を追いかけていきたい旨を説明した。 その後、「欲望の文明から利他の文明へ」と題して、京セラ株式会社名誉会長 稲盛和夫氏を講師に招き、記念講演会が開催された。 会はその後、懇親会に移り、参加書店・出版社と交流を深めた。

■本件に関するお問い合わせ 日本出版販売株式会社 経営戦略室広報課  担当:岩本 TEL.03-3233-3829 FAX.03-3233-6045 >お問い合わせフォームへ