「2012年度 日販懇話会」を開催
日販は5月15日、東京ドームホテルにおいて「2012年度日販懇話会」を開催し、取引書店をはじめ、出版社、日販関係者あわせて395人が出席した。 「日販懇話会」は日販の経営計画や様々な施策などについて理解を深めていただき、取引書店・出版社と強いパートナーシップを築くことを目的として、毎年開催している。昨年は東日本大震災の影響で中止となり、2年ぶりの開催となった。
会の冒頭、古屋文明日販社長が挨拶に立ち、被災された方へのお見舞いと被災書店の商品在庫の返品入帳についてご協力頂いた出版社への感謝の言葉を述べた。第64期決算について「日販単体では、売上高合計が5,895億円で対前年△2.1%の減収となった。書籍が対前年+3.5%、雑誌が同△4.7%、開発品が同△14.1%である。返品率は書籍が33.5%で対前年△2.0P、雑誌が35.8%で同+1.2P、合計では34.0%で同+0.1Pと微増となった。返品率33.5%は裏返せば実売率66.5%となり、我々はこれを70%、75%とさらに上げていきたいと考えている。決算の概要としては、日販本体あるいは日販グループでは減収、最終利益としては増益となる見通しである。」と説明した。
「4月より新しい期が始まり、第65期から67期の3か年については新中期経営計画『Change』として取り組みを展開していく。基本方針は日販グループは『出版流通の改革』と『新たな需要の創出』に取り組み業界の成長を牽引するであり、柱となるのは『流通改革の実現』『CRMの推進』『事業領域の拡大』である。 書店様とのPARTNERS契約についてはMPDチャージ契約と合わせると2009年度49.2%から2011年度70.9%と大きなシェアとなった。一方、出版社様との契約については2009年度10.0%から2011年度36.2%とまだ4割弱の売上シェアであり、さらに高めていきたい。これらの契約を交わすにあたって目標値や施策についてお話する際、書店様や出版社様からさまざまな意見や質問を頂いている。この会の中でこれらの質問にすべてお答えし、我共が目指す返品率25%、書店様のマージン30%、そして委託から買切へと大きく前進させたい」と述べた。
続いて「日販が目指す出版流通改革について」と題し、河村 学 流通改革推進グループMDチーム係長が説明に立ち、「書店様・出版社様の収益改善へのアプローチ」、「PARTNERS契約を支える施策」について発表した。 次に、「日販CRM戦略」と題し、鈴木友紀子 CRM事業部Honya Club推進課係長が、「書店様の新たな売上・利益を創出するCRM」の様々な取り組みについて発表した。 最後に「日販SAシステム今後の展開」と題し、濱田 智システム部SA課長が7月開始のNOCS9000新メニュー「仕入在庫管理機能」「アドバンスMD(新刊予約)」や11月発売予定の新POSシステムについての発表を行った。
その後、『夢をカタチに 戦う組織の作り方』と題し、ワタミ株式会社取締役会長 渡邉 美樹氏を講師に招き、記念講演会が開催された。 会はその後懇親会に移り、ご来場いただいた書店、出版社と交流を深めた。
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