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「本と遊ぼうこどもワールド2023 第42回優良児童図書展示会」を広島で開催

 日販は2023年7月の仙台開催に続き、2023年10月4日(水)~10月9日(月・祝)の6日間、「本と遊ぼうこどもワールド2023 第42回優良児童図書展示会」を広島で開催しました。同展示会は1978年11月に京都市で初めて開催して以来、翌年から全国各地で毎年夏期に開催しています。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年から2022年までは実施を見合わせていましたが、2023年は4年ぶりに開催いたしました。広島会場では、オリジナルコンセプトとして「Dog ear?Book year!」を掲げ、1978年より実施してきた同展示会の枠を超え、全く新しい形でイベントを開催しました。

│オリジナルコンセプト「Dog ear?Book year!」

 “Dog ear”とは、犬の耳のように本の端を折ること。子どもの頃、擦り切れるまで読んだ本がある。端を少しだけ折っていたり、落書きしていたり、何度も何度も読んだ足痕が残されているものです。「あなただけの“Dog ear”を思い出して欲しい。そして、新しい折り目を探しに来てほしい」との想いを込めて、このコンセプトを設定しました。

│会場にはパビリオンを設置し、展示やイベントを実施

 会場の中央広場には、段ボールを組み合わせて作られた大きなパビリオンを設置し、広島に縁のある著名人や書店員などの“Dog ear”を集めて展示した「100人のDog ear」を開催しました。

 会場内にはパビリオンのほかにも5つのブースがあり、それぞれのテーマで本の展示を行いました。たとえば、コンセプトである“Dog ear”にちなみ、earとyearを掛け、本を昭和・平成・令和の刊行年ごとに分けた展示や、「よみもの」のみを集めた専用コーナーなど、様々な本との出会いを創出しました。

 期間中は、様々なイベントも開催しました。「いーすとけん。コラボカフェ」や「ざんねんないきもの事典」シリーズを監修した今泉忠明先生によるトークイベント、画家こだまこずえさんによるライブペインティングなど、子どもから大人まで楽しめるイベントを実施。親子連れの参加者を中心に、どのイベントも盛況となりました。

 また、展示会のメインとなったパビリオンはデザインにもこだわりました。環境へ配慮し、素材には段ボールを採用したほか、開催時期が10月であることから、広島の名所である宮島の紅葉をイメージし、オレンジや赤を散りばめたカラーにしました。

│人と本との接点を増やしていく

 今回、広島の街中から書店が減っていることを受けて、子どもたちが本と触れ合う機会を提供したいと思い、新しいコンセプトの展示会を企画しました。どういった企画を実施するのが良いか、一から考えていくのは苦労しましたが、本に触れるきっかけになればと、展示のほかに13種類のイベントを企画し、開催しました。その結果、6日間で約8,000名が訪れ、児童書の売上は約1,800冊にものぼりました。参加者からは「今後も常設でやってほしい」「普段とは違う、新鮮な本との出会いを体験できた」という感想が寄せられ、子どもたちをはじめ、多くの方に本の楽しさを伝えることができました。

 展示会は子どもたちをメインターゲットとした企画としてスタートしましたが、ご家族連れはもちろんのこと、学生から大人まで様々な年代の方にご来場いただき、本を気軽に手に取れる場所がまだまだ求められていることがわかりました。また、期間中に複数回来場される方もいて、このような場所を常設的につくっていくことの重要さを実感しました。

 今後も、本と気軽に触れ合うことのできるイベントや仕掛けを生み出し、人と本とのタッチポイントを創り続けてまいります。