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2015年度(第68期)決算概況

■2015年度(第68期)決算は減収減益

○日販グループ(連結子会社数:25社)の2015年度決算(4-3月期)の連結売上高は639,893百万円で、前年に対し3.2%減、21,203百万円の減収となりました。

○損益については、雑誌の売上減少と、輸配送環境の悪化が特にCVSルートの損益へ大きなマイナスインパクトがありました。日販単体では営業利益は減益でしたが、出版共同流通㈱を中心とする物流子会社のコスト削減と、システム子会社のITコストの削減により連結営業利益は2,738百万円、対前年で149百万円の増益となりました。

○為替の影響で、子会社の営業外損益が悪化し、経常利益は3,291百万円、対前年で9.2%減、親会社株主に帰属する当期純利益は856百万円、対前年で18.7%減、196百万円減の減収減益の決算となりました。

○過去10年で営業利益は2番目に悪く、経常利益は最も低い水準となりました。

○2015年11月に㈱あゆみBooks、2016年3月に㈱OKCを新規連結子会社としました。

①商品別売上概況

○雑誌は、年間を通じて店頭売上の落ち込みが続きました。POS実績では、定期誌・ムックは対前年で6.4%の売上減少でした。特に女性誌はファッション誌が対前年11.8%減、ティーンズ誌は対前年7.7%減と大幅に落ち込みました。休刊が相次ぎ、創刊数91点に対して、休刊数は177点となっており、販売部数の減少も売上減少の大きな要因となっています。
 
○書籍は、POS実績が対前年0.6%減となりほぼ前年並みの実績となりました。文芸書は『火花』(文藝春秋)など話題作が多く、対前年5.3%増と伸長しました。小学校の教科書改訂があった学参が対前年6.4%増、高定価の商品が好調だった児童書が対前年5.8%増と、書籍全体の売上に貢献しています。年齢別の絵本ガイド企画「いくつのえほん」は導入店が940店舗となり、児童書の売上を牽引しました。

○コミックスは、「NARUTO」「黒子のバスケ」(ともに集英社)など大型銘柄の完結により、POS実績は対前年3.9%減となりました。

○開発商品は、文具パッケージである「Sta×2(スタスタ)」導入店の増加や、新規大型検定の受注の増加が売上に貢献しました。映像関連事業では、出資映画「orange-オレンジ-」「進撃の巨人」「ストロボ・エッジ」等のヒット作品が生まれました。これらにより、開発商品全体の売上実績は対前年0.7%増となりました。

②事業の概況

○日販が目指している出版流通改革の目標は、書店マージンを現状より4%引き上げることです。この書店マージン4%アップに向けた取り組みにおいては、PARTNERS契約出版社の売上シェアは対前年3.0ポイント増の56.1%、契約書店の売上シェアは80.1%まで拡大しました。インセンティブ付き商品企画である「High-Profit企画」は延べ10,600点となり銘柄数の拡大が進みました。

○書店ルート合計の書籍返品率は35.7%となり、そのうち、PARTNERS契約法人合計の返品率は33.8%、収益改善率は0.4%に留まりました。契約法人128法人のうち、返品率25%を達成した法人は12法人64店舗、30%を達成した法人をあわせると、36法人400店舗となりました。

○お客様にとって魅力的な新空間を創造するための商材・業態を書店様に提案し、リノベーションを行う体制をスタートさせました。都心・駅前本屋のリノベーションでは「文禄堂荻窪店」「文禄堂高円寺店」(ともに杉並区)、また人口が減り、厳しい環境にある地方・商店街を舞台にしたリノベーションでは「文榮堂本店」(山口市)の3店舗をリニューアルオープン致しました。

○書店店頭で在庫検索と注文可能なタブレット端末「attaplus!(アッタプラス)」は導入店が250店舗となりました。店頭で、月間10万人以上の方に検索頂いています。また書籍情報WEBサイト「ほんのひきだし」は、130万人の方にご覧頂き、月間のページビュー数は30万を超えています。

○文具パッケージ「Sta×2」は累計で149店舗に導入されました。DULTON(ダルトン)の雑貨コーナーである「with MARCHE(ウィズ マルシェ)」も15店舗で新規導入されています。

○㈱大阪屋栗田の前身である㈱大阪屋、栗田出版販売㈱とは、雑誌の返品協業を皮切りに連携を深め、2015年8月に書籍も含め返品の全面稼働が実現しました。さらに、返品・輸配送協業に続いて、2016年2月に書籍新刊の送品協業を開始しており、10月には雑誌新刊の送品協業を予定しています。また、㈱大阪屋栗田との協業の拡大を効率的かつ迅速に進めるために、3月には、大阪屋の子会社である㈱OKCを出版共同流通㈱の子会社としました。

○㈱ダルトンは、卸売事業・小売事業全店舗で増収を達成しました。3月にはダルトンが創業以来積み上げてきた商品群と空間創りのノウハウを全て投入した、 初の大型旗艦店「DULTON JIYUGAOKA」をオープンしました。今まで扱っていた家具や雑貨、植物に、本・食品といった新しいエッセンスを加えた店舗です。本をインテリアとした演出をしており、本の新たな可能性を提案しています。

○日販コンピュータテクノロジイ㈱は、出版社販売管理システム「LEAD」の導入実績が、235社と対前年プラス26社となりました。医療部門の売上も対前年で57.0%増と大きく伸長しています。また、新技術研究に取組み、人型ロボット「Pepper」のアプリ開発による法人企業向けサービスを開始し、書店を中心に法人が開催するイベントを盛り上げました。

○中国語翻訳の出版事業を手がける中国現地法人の北京書錦縁諮詢有限公司(ぺきんしょきんえん)は、創立10周年を迎えました。和書翻訳の累計出版点数は1,158点となり、重版タイトルは234点、重版の累計回数は639刷りとなりました。駐在員の管理のもと、出版社から提供されたデータを厳重に保管して、編集・製作を行い、またパートナー会社が印刷を請け負っているため海賊版や不正印刷の防止に繋がっています。

③課題

○店頭売上は非常に厳しい状況が続いています。書店数の減少も売上に大きく影響しており、78軒の出店に対して、廃業は177軒でした。廃業を最小限に食い止めるためにも、店舗に合ったリノベーションの提案を継続して行っていきます。

○「Sta×2」や雑貨など、書店様で取り扱うことができる高粗利商材を増やします。そのために、商品開発部に新設したアイテム開発課が商材開発を行い、それらの多様な商品の提案のサポートを複合推進課が行います。

○コンビニエンスストア業界全体の売上・店舗数は増加していますが、日販の主要アイテムのひとつである雑誌の売上実績は、対前年12.8%減で返品率51.2%でした。また、輸配送環境が悪化し、損益への大きなマイナスインパクトとなっています。雑誌の売上減少を食い止めるべく、PB商品の拡大や、出版社とチェーンが連動した限定PB商品の開発等にも力を入れて取り組んでいきます。

 詳細は以下PDFよりご確認ください。

2015年度(第68期)決算報告資料(PDF)