子どもは「読み聞かせ」で
本と出会います

絵本は見るばかりでなく、聞くものでもあります。子どもは、聞くことによって言葉やイメージを豊かに育み、考える力を養っていきます。そして、言葉が豊富になり、想像力がめばえてくると、長いおはなしも楽しめるようになります。
よく聞くことが、よく読むことの基本です。
文字を読ませることを急がず、愛情溢れる言葉で、何度も何度もくり返し「読み聞かせ」をしてあげましょう。一緒に本を楽しむ時間は、とても大切な、そして幸福なコミュニケーションの時間でもあるのです。
01
読み聞かせのやり方
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下読みをする
大人にとっては簡単に思える絵本でも、必ず下読みをして、その絵本の持つメッセージを理解しておきましょう。おはなしの面白さを半減させてしまう、読み間違いやページのめくり間違いなども防ぐことができます。
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「読み上げる」のではなく
「話しかける」上手に読もうと意識しすぎると、絵本だけを見て文を読み上げてしまいがちです。読み聞かせをするときは、子どもの目を見て話しかけることを意識しましょう。子どもの気持ちを引きつけることができ、大人も子どもの反応に気がつくことができます。
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子どものペースに合わせる
大人のペースで読んでいるとつい早口になってしまったり、文のないページを早くめくったりしてしまいがちですが、子どもは絵から物語を読み取っています。子どもの反応を見ながら、絵をゆっくり見せましょう。反対に、子どもが絵本のページをどんどんめくりたがる場合も、絵の続きを早く知りたいと楽しんでいるからです。その場合は無理に話を読もうとせず、一緒に絵を楽しみましょう。
02
絵本の選び方
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読み手も楽しめる本を選ぶ
自分が好きな絵本を読んだときの楽しい気持ちは子どもにも伝わり、絵本に興味を持つきっかけになります。そのためにも、あなた自身が日頃からいろいろな絵本の面白さに触れて、絵本を好きになることが大切です。
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教育を意識しすぎない
教育のために絵本選び・読み聞かせをしていると、大人の義務感が子どもにも伝わってしまい、本嫌いにさせてしまうこともあります。読み聞かせの時間では、教育を意識せず、特に好きではない本を選ばなくてもよいでしょう。
03
読み聞かせのコツ
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感想を無理に求めない
反応が薄いように見えても、子どもは心のなかで絵本を受け止め、空想の世界で遊んでいます。 まだ言語能力が乏しく、自分の思いを表す言葉がわからないこともあります。
そんなときに感想を聞かれると、現実に引き戻されて感動が冷めてしまいます。 -
同じ本を求められる場合
同じ本を何度も「読んで!」と言われると、大人はつまらないと思うかもしれません。しかし、子どもはあなたの読み聞かせを楽しんでいて、楽しい経験は何度でも繰り返したいのです。できる限り応じてあげるようにしましょう。
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絵本に親しめる環境を
子どもが自分から絵本に親しめるよう、絵本の本棚は手の届く高さのものを設置しましょう。
本棚はほこりがたまりやすく、また赤ちゃんは本を口に入れることがあるので、衛生面には気をつけましょう。
参考図書
- 『子どもが夢中になる絵本の読み聞かせ方』(景山聖子・廣済堂出版)
- 『よくわかる0〜5才児の絵本読み聞かせ』(徳永満理・チャイルド本社)