本との出会いを
書店から
子どもが本と出会う場として、また保護者にもっと読み聞かせに注目してもらいたいとの願いを込めて、書店店頭を利用した「読み聞かせ会」が広がりつつあります。読み聞かせ会は、小さなスペースでも開くことができます。むしろ大切なのは、取り組みを継続していくことです。たくさんの子どもたちに、本との出会いを届けていきましょう。
店頭での
読み聞かせのポイント
絵本の選び方
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ある程度の大きさがあること。
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遠目がきくこと。
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1つの絵に対して文の量が多すぎないこと。
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長すぎず、メリハリがありリズミカルであること。
読む前に準備しておくこと
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絵本が開きやすいように「開きグセ」をつけておく。
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カバーがある本は、はずしておく。
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何度も読んで、物語の内容を把握しておく。
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必ず声を出して予行演習をする(本の持ち方、ページのめくり方、読む速度など)。
読み方
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子どもとの位置
- 子どもがイスに座る場合、読み手は立つ。
- 子どもが床に座る場合、読み手はイスに座る。
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安定した持ち方
- 本をなるべく動かさないように持つ。
頭や体が本にかぶらないように注意する。 - 絵が傾かないように注意する。鏡を見たり周りの人に見てもらったりしてチェックする。
- 本をなるべく動かさないように持つ。
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読みはじめ
- 全員が本に注目しているか、どの子の位置からも
本が見えているかを確認する。 - 表紙を見せ、はっきりと題を読む。
見返し、タイトルページもとばさない。
- 全員が本に注目しているか、どの子の位置からも
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ページのめくり方
- めくるときに腕で画面を隠さない。
- スムーズにめくれるよう、前もってページのはしに手をかけておく。
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読む速度、めくる速度
- 大きな声でゆっくり、はっきりと読む。
- 話の流れによって緩急をつける
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- たとえば…
- 大きな声でゆっくり、はっきりと読む。
- すばやくめくる→物語の急展開!
- ページをめくった瞬間には文を読まない。子どもが絵を確かめる「間」をとる。ゆっくりと心をこめて
- 主役は本。過度な感情移入はしないで、できるだけ自然に、声が届くように。
- 物語の流れに乗って。読み手が絵本を楽しんでいる気持ちが伝わるように。
参考図書
- 『えほんのせかい こどものせかい』(松岡享子著・日本エディタースクール出版部)
- 『読み聞かせ―このすばらしい世界』(ジム・トレリース著高文研)
- 『おはなしおばさんの小道具』(藤田浩子著・一声社)
事前の準備
実施日・開催時間の設定
- 親に連れられてくる幼児が多いので、午後が集まりやすいでしょう。出版業界では毎月「第4土曜日は、こどもの本の日」の運動を推進しています。
- おはなし会の開催時間は、1回30分を目安にするのが適当です。
告知・宣伝
- 店頭に告知ポスター等を掲示したり、チラシを配布したりして常時PRすることにより、集客効果が高まります。
- ソーシャルメディアを使った告知や、地元紙などに取り上げていただくのも効果的です。
児童書コーナーの充実
- おはなし会で紹介する本や、お店のおすすめの本などを、開催日に合わせて店頭に揃えておきます。
小道具の準備
- 読む絵本の内容によっては、パネルシアターやペープサートなど、おはなし会を盛り上げる小道具を用意してもよいでしょう。
景品の準備
- 参加者にちょっとしたおみやげを用意すると喜ばれます。雑誌袋などにあらかじめ入れておくとよいでしょう。
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- たとえば…
- 子どもへ 折り紙、ぬりえ、ノート、シールなど
- 保護者へ 読み聞かせのパンフレットなど
会場づくり
おはなし会はちょっとした空間があれば開くことができます。
書棚の間や通路を利用
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通りかかったお客様が立ち寄りやすい会場になります。
一時的に平台を撤去してスペースを作るのも一案です。
独立したスペースを利用
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一般のお客様へ配慮する
広いスペースが確保しやすく、店内のほかのお客様への影響も少なく開催できます。
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会場と売場の距離を意識する
読み聞かせ会場と児童書売り場とが離れている場合は、近くにワゴンなどを置いて絵本を陳列しておきます。
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店内の音楽を調整する
店内のBGMは止めるか、音を絞ります。
飾りつけ
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会場を明るく飾りつけましょう。
会が終わったら
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次回告知
お店から簡単なごあいさつと次回の開催日時をお知らせして終了します。
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おみやげ配布
保護者へのパンフレット類、子どもへのおみやげなどを配布します。
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アンケート実施
簡単なアンケートを作り、感想を聞くのも次回の開催に役立ちます。