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幼児は例外なくお話を聞くのが好きです。小学生になっても本を読むことに興味が持てないとしたら、それは不幸にしてお話を聞くよろこびを知らずに育ってしまったからでしょう。
幼児は自分にもっとも身近かな大人、とりわけお母さんが大好きです。お母さんのお話はなんだって理屈なしに子どもの心にしみとおっていきます。
その声の中にわが子を思う愛情がひたひたと流れているからです。幼児はお話の上手下手よりも、お母さんも声で聞くお話を望んでいます。
赤ちゃんに絵本を読んであげるのもそのためです。たとえ理解力は乏しくても、赤ちゃんなりの感性で、そのお話を楽しんでいます。それが証拠に、少し物心がついてくると、自分の気に入った場面では目を輝かせ、身をのり出してうなずきます。
だまって聞いているようでも心は絵本の世界に入りきって激しくゆれ動いているのです。それ故、お気に入りの絵本は何度でも読めと要求します。
読み聞かせは読み書きの基礎をつくるだけでなく、人間にとってなによりも大切な想像力を育てることになります。
人のよろこびやかなしみを自分のものにできる感動の心が生まれます。親子の心の交流がスムーズになり、深い愛情と信頼感を持つことができます。
そのためには、お母さん自身がお話や絵本の大好きな大人になることです。子どもに読み聞かせしながら自分もいっしょになって楽しむ人でなくてはなりません。すぐれたお話や絵本は子どもばかりか大人までも感動させてくれます。
家庭に本どころか、文字の読み書きさえできる人の少なかった昔の人たちがなぜ豊かな心を持っていたのか。どうしてあんなすばらしい昔話をつくることができたのか。
それは子どもたちに語り聞かせるばかりでなく、みずから語ることによろこびを感じていたからです。
お話や絵本を心をこめて読み聞かせることは、家庭の中にすばらしい語り部がいるのと同じです。 |
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