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第9回東北日販会総会を開催

 東北日販会(会長:藤原 直 株式会社金港堂代表取締役社長)は、11月11日、宮城県松島町の松島一の坊で第9回総会を開催し、会員書店はじめ、出版社、日販関係者あわせて235名が出席した。

 冒頭、挨拶に立った藤原会長は、「地震や津波、噴火等の自然災害、あるいは病気や交通事故など、あらゆるリスクに遭遇する可能性は、生きている限り決してゼロではない。しかし、だからといって何もせずに閉じこもっているのでは、何のために生きているのかわからない。リスクをかけて自分の望みを実行するからこそ生きている充実感があるというのは、企業も同じではないか。新たな分野に踏み込むのを恐れて、他社と同じことばかり考えていては、じりじりと良くない状況に落ち込むだけであり、今の我々の業界はまさにそのような状況に陥りつつある。人生も企業も、時には積極的に引き金を引く必要があるのではないかと、自戒をこめて思っている」と述べた。
 続いて昨年度の事業報告及び今年度の事業計画案、予算案などが審議され、いずれも可決・承認された。また下記の通り一部役員に変更があった。

 続いて、来賓として挨拶に立った平林 彰 日販代表取締役社長は、日販が取り組んでいる「雑誌の拡販」と「Base +1(ベースプラスワン)」の戦略について説明した。
 まず雑誌の拡販については「雑誌の売上が減少している中、東北支店は今年の夏に行われた日本雑誌協会主催の定期購読キャンペーンで、前年の2倍近い件数の定期購読を獲得した」と謝辞を述べた上で、「雑誌は回転率が高く、書店の売上を上げるためにも、雑誌がきちんと売れていくことが重要になる。雑誌については、例えばなかなか定期購読を獲得できない女性誌への対応など、やれることがまだまだたくさんある」と述べた。
 次にBase +1については「全国の売上実績を見ると、客単価はおおむね横ばいだが、書店での買い上げ客数が減っている。お客様に何とか店頭に来ていただくため、『祭』という店頭イベント企画をずっと続けており、効果も上がっているが、前年比で客数が上がるというところまでは来ていない。そこで『五感に訴求する』というリアルの店舗にしかできないことによって来店動機を増やし、集客力を高めていくために、書店にBase(ベース)となる書籍・雑誌以外の価値を付加していこうというのがBase +1の考え方である」と述べた。
 最後に「なかなか店頭の売り上げが回復するという基調にはなっていないが、やれることを一つ一つしっかりやっていくことが重要である。今後ともご協力をお願いしたい」と述べた。

 なお、総会に先立って商談会と講演会が開催され、講演会では「震災後の小説~被災地の書き手として~」と題し、直木賞作家の熊谷 達也氏による記念講演が行われた。自身の震災体験を通して感じた、震災前の日常を知っている唯一の作家としての義務、震災後に再び小説を書き始めるまでの葛藤などを、著書の紹介もまじえてお話しいただいた。

≪新任≫
世話人:山下 淳(ヤマテル 代表取締役)

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